純烈 (COVER STAFF 撮影/馬場道浩、ヘアメイク/平笑美子、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO)
純烈 (COVER STAFF 撮影/馬場道浩、ヘアメイク/平笑美子、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO)
ライブ中、メンバー全員が客席を回り、一人ひとりと握手。ファンの笑顔がひときわ輝く瞬間だ (撮影/写真部・東川哲也)
ライブ中、メンバー全員が客席を回り、一人ひとりと握手。ファンの笑顔がひときわ輝く瞬間だ (撮影/写真部・東川哲也)
ファンの必携グッズであるペンライトは一つ2800円(税込み)。ライブ中、ペンライトを片手にはしゃぐファンは、まるで少女のよう (撮影/写真部・東川哲也)
ファンの必携グッズであるペンライトは一つ2800円(税込み)。ライブ中、ペンライトを片手にはしゃぐファンは、まるで少女のよう (撮影/写真部・東川哲也)

“スーパー銭湯アイドル”として、中高年女性を中心に熱烈な支持を得ているムード歌謡ダンスユニット「純烈」。今年1月にメンバーの一人が脱退し、4人で再スタートを果たすなど苦難が続く中、2年連続の「NHK紅白歌合戦」出場が決定し、歓喜に沸いている。紅白出場が決定する2日前、単独インタビューを敢行した。

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──メジャーデビュー後も、銭湯や健康センターを拠点にライブを続け、ファンとの距離が非常に近いことでも知られる。ファンはどんな存在か。

酒井一圭:アーティストといえば、普通はステージの上と客席という構図なんだけど、僕らの場合はステージから降りて客席に乗り込んでいっちゃう。おばちゃんたちから渡されたタオルで汗を拭いて返したり、握手してハグしたり、あったかい空間です。いつもマダムのユーモアと母性と愛とで僕らをもり立ててくれて、本当にありがたい。確実に原動力です。

白川裕二郎:おばちゃんたち、タオル渡すだけじゃなくて、拭きにきたりするんですよ。ゴシゴシゴシッて、奈良の大仏を拭いてるみたいに強く拭くから、メイクが取れちゃったりするの(笑)。

小田井涼平:ステージを通して、ファンに遊んでもらってる感じだよね。あの空間って、ファンにも遊び心がないと成り立たない。下ネタを言っても、「クソババア」と毒舌を飛ばしても、笑い飛ばしてくれる。あと、スーパー銭湯って、昔ながらのコミュニティーなんですよね。だから僕らもゲストとして呼ばれてるというより、「お邪魔させてもらってる」感じ。昭和の時代がそのまま残っているような場所で、他にない温かさがあるんです。

後上翔太:僕たちのライブ空間で、良いエネルギーも、マイナスのエネルギーも発散してほしい。アーティストと観客と両方が、これだけさらけ出し合って、感情を見せ合うって、他にないと思うんです。この空間と雰囲気を大事にしたいです。

──NHK紅白歌合戦に向けた思いは。

後上:紅白出場が叶(かな)わなかった一昨年、発表直後にライブをした健康センターで幕が開いた瞬間、おばちゃんが「来年は頑張れ!」っていうプラカードを掲げて、思いっきり泣いてて……あの光景は忘れられないです。今年はみんなに笑顔になってもらいたいなあ。

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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