仲邑初段をよく知る後藤俊午九段(日本棋院常務理事)は「注目されてプレッシャーもあるでしょうが、勝敗度外視で勉強すれば14、15歳で一つの形ができる。そのころには国内外の一線級を倒してゆくのでは」と期待する。ちょうど将棋藤井聡太七段(17)がプロ入りした年齢だ。

 10月に北京で開かれる「第4回夢百合杯世界囲碁オープン戦」は予選落ちしたが、中国の主催者が「貴重な才能を開花させる手助けになれば」と特別枠で出場させてくれる。かつてゴルフの石川遼がマスターズに招待されたのに似るが、後藤氏は「素晴らしいお年玉ですよ。海外棋士とのびのびと戦って糧としてほしい。菫さんにはいつか囲碁界の愛ちゃん(福原愛=卓球)になってほしいですね」と期待する。

 しばらく付きまとう「最年少」の冠が取れるころ、棋士たちには脅威の存在になっていきそうだ。(粟野仁雄)

週刊朝日  2019年8月30日号