■大場正明(映画評論家)


評価:★★★★
陰影に富む美しいモノクロ映像、緻密なアレンジが施された民族音楽やジャズ、想像をかきたてる大胆な省略、抑制された演技。独自の表現で、戦後のポーランド、冷戦に翻弄される男女の複雑な心理が鮮やかに描き出される。

LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★
最初の数分で苦手意識が一瞬働きましたが、この強い愛と情熱! モノクロの世界観が赤色よりも燃えていました。そして異文化の切なくも優しいメロディーに惹かれた。映画を観たのとバーに行った感覚を合体した体感。

わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
歴史に翻弄される男女を巧みな省略で描いていて、映画的な体験を堪能できる。年齢と共に変わる主演2人の外見が、演技をより味わい深いものにしている。ラストをどう解釈するかで分かれるが、ポジティブに受け取った。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2019年7月5日号