室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
イラスト/小田原ドラゴン
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 作家・室井佑月氏が今回テーマにするのは、「辺野古埋め立て」。防衛省沖縄防衛局が埋め立て用土砂を割高な単価で発注していた事実を取り上げる。

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 もう、こういうのやめにしてもらいたい。どれだけこの国は汚い大人が多いんだ。

 東京新聞の1月18日付朝刊に「税を追う」という記事があった。「辺野古の土砂 割高 1立方メートル1万円超良質石材の倍」という。

<(防衛省沖縄)防衛局は採石場などで石を砕く時に出る「岩ズリ」という規格外の砕石を埋め立てに使用。岩ズリを含む埋め立て土砂に、サンゴなどの自然環境に悪影響を与える粘土性の「赤土」が大量に混じっている疑いが浮上している。沖縄県は土砂の検査などを求めているが、国は応じていない>

<沖縄県の公共工事の資材単価表では、岩ズリより良質な石材「雑石(ざついし)」を辺野古周辺で使う場合、1立方メートル当たり4750円(運搬費込み)と積算。また、国の出先機関の沖縄総合事務局は、那覇地区で港湾工事に使う場合、岩ズリの単価を3550円(同)と積算している>

 なんで沖縄にばかり米軍基地の負担を求めるの? 日米地位協定にも触れず、普天間飛行場の返還というきちんとした約束もせず、なにより地元の人たちが嫌がっているのに、なぜ辺野古に基地を広げなきゃならん?

 もちろん、安倍政権にいいたいことはたくさんある。が、それ以前なんだよな、この政権のやることって。

 アメリカさんにどうしても逆らえない、怖くて意見もいえない、そういう自己保身で政治をやってるだけじゃないだろ。税金使って、環境によろしくない安い土砂をわざわざ超割高に買うってどういうことよ。

 それも、防衛省の内規で、土木工事の材料単価は原則3社以上から見積もりを取ることになっているのに、たった1社が提示した金額でOKを出した。

<先月から土砂を投入している工区は、防衛局が予定価格76億円で大林組などの共同企業体(JV)に72億円で発注している>

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室井佑月

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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