みやぞん:そうですね。でも、ものは考えようだと思います。僕もバイトしながらやってたときも、就職したこともありますし。でも、テレビに出なくなったからといって不幸ということでもないのかなと思うんです。一発屋の人だって、他で食べていけると思うし、逆に「テレビなんか出なくていいや。これぐらいのペースが自分にとってはハッピーなんだ」と思ってる人もいるだろうし、人それぞれですよね。

林:今は人気者ですから、どんどん前に出されるけど、こういうお仕事をしてたら、とにかく前に出なきゃダメですよね。「後ろのほうでいいや」と思ってたら、人気者にはなれないでしょう?

みやぞん:いや僕、テレビのそういうことはよくわからないんですよ。「今日も楽しもう」という気持ちで出て、MCの方に質問されたら一生懸命答えるということを常々やってるだけで、前に出ようとか、あんまり考えないですね。

林:でもバラエティー番組って、編集のときにおもしろい人の話だけ使われるわけですよね。

みやぞん:僕、自分が出た番組も、あんまり見ないんです。録画はしてるんですけど、忙しくてなかなか見れないし、恥ずかしくて。

林:こんなに売れっ子でも、恥ずかしいと思うんですね。

みやぞん:声が自分の声じゃない感じがして気持ち悪いというのは、もう乗り越えましたけど、自分が出てるのを見るのはやっぱり恥ずかしいですね。

林:バラエティー番組を見てると、売れっ子の人って反射神経がすごいですよね。誰かがおもしろいことを言うと、パッとそれに反応するでしょう。ふつう私たちの会話だと0.5秒ぐらいかかるところを、0.1秒ぐらいでパッと。あの反射神経はもともと身についてるものですか。

みやぞん:わかんないです。僕、なんにも考えてないんです。

林:だってお笑いの人って、誰よりもおもしろいことを言うという競争じゃないですか。みやぞんさんの場合は、それが自然に出るのかも。

みやぞん:僕、正直、おもしろいこと言ってるつもりないです。質問されたことに対して答えるのに一生懸命で、「こんなこと言ったらおもしろいんじゃないか」なんて、そんなことを考えてる余裕はまったくございません。

林:それってやっぱり才能なんでしょうね。

みやぞん:でも「とりあえず思ったことを言う」ということでやってますから、「あ、今の失礼だったかな」と思うときもたくさんあります。「今日は、うまくできなかったような気がする。あしたはもっと頑張ろう」と、そういうことの繰り返しです。

(構成/本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2019年1月4日号‐11日合併号より抜粋