室井佑月「マクロンは謝罪した」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「マクロンは謝罪した」

連載「しがみつく女」

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室井佑月週刊朝日#室井佑月

ュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中

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イラスト/小田原ドラゴン

イラスト/小田原ドラゴン

 作家の室井佑月氏はフランスの反政府運動を見て、「このままじゃいけない」と危機感を抱く。

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*  *  *
燃料税を引き上げることにした政府に対し、反政府運動がフランス全土に広がっていった。

 燃料増税は見送ることになったものの、デモは拡大していった。マクロン政権が一部の富裕層ばかりを優遇し、その他大勢の労働者や低所得者に冷たいからだ。

 このままではまずい、とさすがにマクロン大統領も感じたのか。12月10日、国民に向けて演説をした。そして、こういった。

「国民の怒りは正当だ」と。

 そして、最低賃金引き上げや、月額2千ユーロ(約26万円)未満の年金生活者への減税などを約束した。

 演説の中でマクロンが否定したのは、デモの中の暴力だけであった。

 つまり、不満を叩き付けた国民に、マクロン大統領は完全に負けを認めた。

 フランスで膨らんでいった国民の不満は、じつは世界の多くの国民も感じていることではないのか?

 力ある者が富を独占するのは当たり前で、そうしなければ世界の競争には勝てない。貧しい者はそのおこぼれを待つように、という考え方がおかしいのだ。

 この世の富める者は、際限なくどこまでも貪欲で、世界と競争するためという言葉を建前にし、多くの者を犠牲にしてきた。いずれみんなが良くなるといっているが、そんなときはこないし、多くの者は使い捨てにされるだけ。

 この国でもまったくおなじことが起きている。

 あたしは先々週、野党議員が団結して辞表を提出するところまでやらなきゃ、もうダメなんじゃないかという話を書いた。そこまでやったらメディアジャックできるし、多くの国民もついていくだろうと。

 ハロウィーンの渋谷での暴動が、ワイドショーを独占した。防犯カメラから、暴動に参加した者が特定され、逮捕者が出たからだ。

 この国の進んだ技術を見せつけることは、未来に起きるかもしれないテロの抑止力になる、そう解説されていたが、ほんとだろうか?


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