ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する
ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する
※写真はイメージ (c)朝日新聞社
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 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は「赤木春恵さん」を取り上げる。

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 一昨年の白川由美さん、昨年の野際陽子さんに続き、私の思春期から青春期にかけてのドラマライフを彩った『日本三大お義母さん女優』のひとり赤木春恵さんが先日亡くなりました。80年代後半から90年代前半のトレンディドラマ全盛期には欠かせなかった白川さん、『冬彦さん』や『ダブル・キッチン』など90年代のTBSドラマで姑ポジションを確立した野際さん、そして20年以上もの間『幸楽のお義母さん』であり続けた赤木さん。とりわけ『おしん』や『金八先生』の校長先生役など、私が物心ついた頃からすでに“おばあさん然”としていた赤木さんは、おばあちゃん子気質の高い私にとって特別な存在で、いつか来ると覚悟していた“おばあちゃんを見送る日”がついに来てしまった感じです。

 ドラマ以外での赤木さんも非常に印象的でした。80年代中盤ぐらいだったでしょうか、NHKの『連想ゲーム』にゲスト解答者として出演した時のことをよく覚えています。人一倍のんびりした性格の赤木さんは、才女オーラ出しまくりの檀ふみさんや中田喜子さんの横で終始クイズについていけず、申し訳なさそうに「パス」を連発。『連想ゲーム』にパスのルールがあったこと自体それで初めて知りましたが、何よりも「あの凛と厳しい校長先生の正体が、こんな普通のおばあちゃんだなんて!」と、女優の凄さに衝撃を受けた瞬間でもありました。

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ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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