骨密度の測定 (c)朝日新聞社
骨密度の測定 (c)朝日新聞社
骨の健康度セルフチェック(林泰史医師の考案。お酒2合の目安は、ビール大瓶1本、日本酒360ml、焼酎ストレートで180ml/週刊朝日2018年11月9日号から)
骨の健康度セルフチェック(林泰史医師の考案。お酒2合の目安は、ビール大瓶1本、日本酒360ml、焼酎ストレートで180ml/週刊朝日2018年11月9日号から)
男女別・年代別にみた体の症状の悩み(数字は人口千人あたりの有訴者率/週刊朝日2018年11月9日号から)
男女別・年代別にみた体の症状の悩み(数字は人口千人あたりの有訴者率/週刊朝日2018年11月9日号から)

 特に思い当たる節がないのに発症している「いつの間にか骨折」。これは骨粗鬆症により背骨の椎体(ついたい・脊椎)がつぶれる骨折「骨粗鬆症性椎体骨折」のことで、年間約30万人が発症するという。

【骨の健康度セルフチェックはこちら】

 いつの間にか骨折をしないため、まずは骨粗鬆症の予防が重要だ。骨密度が低下して骨がもろくなる骨粗鬆症は、全国に約1300万人の患者がいる。男性300万人に対し、女性は1千万人と圧倒的に多い。

 骨粗鬆症基礎研究の第一人者で、原宿リハビリテーション病院の林泰史名誉院長がいう。

「女性は男性より体が小さく、もともと骨量が男性よりも少ない。閉経によって女性は50歳ごろから骨量が急激に減り、65歳ごろから骨折しやすくなります。骨粗鬆症は自覚症状がないまま進みます。骨折すれば整形外科を受診しますが、それまでは医療機関にかかるきっかけが見つからない。特に閉経後の女性は定期的に骨密度を測定するなどして、骨粗鬆症になっていないかどうか、気にかけておくことが大事です」

 骨粗鬆症の通院者率(人口千人あたり)は、60~69歳以降で急激に増える。閉経後の50代からは骨の健康に特に注意する必要がある。強い骨をつくるため、自分の骨密度がどのくらいかを知っておきたい。林医師が考案した「骨の健康度セルフチェック」(下)で、定期的に確認できる。

【骨の健康度セルフチェック】(該当する項目について、点数を合計する)
(1)牛乳や、チーズなどの乳製品をあまりとらない 2点
(2)小魚や豆腐をあまりとらない 2点
(3)たばこをよく吸う 2点
(4)お酒を毎日2合以上飲む 2点
(5)天気のいい日でも、ほとんど外出しない 2点
(6)運動などで体を動かすことが月に3回未満4 点
(7)最近、背が縮んだような気がする 6点
(8)最近、背中が丸くなり、腰が曲がった気がする 6点
(9)ちょっとしたことで、骨折したことがある 10点
(10)家族に「骨粗鬆症」と診断された人がいる 2点
(11)糖尿病か、消化管の手術を受けたことがある 2点
(12)女性で閉経を迎えた。男性で70歳以上 4点

・2点以下 今のところ、骨の健康に問題はなさそう
・3~5点 今後、骨が弱くなる可能性あり。生活習慣の改善を
・6~9点 骨が弱くなっている恐れあり。要注意
・10点以上 骨が弱くなっていると考えられる。骨密度検査や医師の受診を
(林泰史医師の考案。お酒2合の目安は、ビール大瓶1本、日本酒360ml、焼酎ストレートで180ml)

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