大阪府警富田林署で留置中に逃走した樋田淳也容疑者(30)が9月29日午後6時過ぎ 、ついに山口県周南市で身柄を確保された。
逃走から約1カ月半ぶりに姿を現したのは、同県周南市の道の駅だ。
「シャツの中に餅や菓子パン、缶コーヒーなど5~6品を隠していた不審な男がいたので、店員が取り押さえようとしたところ、『財布を忘れただけや』などと大声を出し、暴れたので、110番通報。捕まえて近隣署に連れて行ったら、『どこかで見たことのある奴だ』となった。決め手になったのは、樋田容疑者の左ふくらはぎに入れていたタトゥ。打ち出の小づちを持ったウサギが米俵に足をかけているような図柄と特徴があり、大阪府警が配布した手配書に載っていた。手配書と見比べ、同じか何回も確認しているうち、ピアス跡など樋田容疑者の特徴と次々と一致。山口県警本部が府警に通報し、指紋が一致したので、樋田容疑者と確認できました。まさか山口にいるとは想像もしなかった」(捜査関係者)
山口県警が窃盗容疑で逮捕、その後は大阪府警に移送し、逃走経路や動機などを追及する。
注目されるのは樋田容疑者の足取りだ。大阪府富田林市から山口県周南市まで約360キロは離れている。
大阪府松原市にある樋田容疑者の実家近くで逃走直後、樋田容疑者の姿が確認されたこともあって、大阪府警の車両と捜査員がずっと張り付いていた。
樋田容疑者の刑務所仲間がこう話す。
「樋田容疑者はとても警戒心が強く、警官が多くいるようなところには姿を見せないタイプ。刑務所でも『警官に見つかってもとことん逃げる、振り切る自信がある。これまで何度も警官と追っ駆けっこをやったから自然と動きが読める』と豪語していましたからね」
府警捜査関係者によれば、樋田容疑者の友人のほとんどが刑務所や拘置所で知り合った人物だという。
「犯罪をやって同じ釜の飯を食った仲間を頼って逃走していた可能性がある。用心深い性格なので野宿などはしていなかったのではないか。工事現場に紛れ込んで仕事をするような真面目さはなく、金がなくなれば犯罪に走るタイプ。食うのに困って万引きし、馬脚を現した」(府警関係者)