![中村芝翫(なかむら・しかん)/1965年、東京都生まれ。七代目中村芝翫の次男。70年、「柳影澤蛍火」の吉松君で、本名で初舞台。80年、「沓手鳥孤城落月」の裸武者石川銀八ほかで、三代目中村橋之助を襲名。2011年、日本芸術院賞受賞。16年、歌舞伎座で八代目中村芝翫を襲名。テレビや映画、舞台などにも多数出演し、NHK大河ドラマ「毛利元就」では主役を勤めた。9月2日から東京・新橋演舞場で主演舞台「オセロー」が控える。(写真・小原雄輝/ヘアメイク・赤間久美江/スタイリング・中西ナオ)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/8/e/682mw/img_8eaabbc3e2f4196ae5daac03940a131561531.jpg)
今夏襲名興行を終えられ、秋からは舞台「オセロー」が控える歌舞伎俳優・中村芝翫さん。作家・林真理子さんとの対談では、スーツを着こなした威厳あるお姿で会場にいらっしゃると、場の空気がさっと変わりました。
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林:2年間の襲名興行が終わったと思ったら、その直後に芝翫さん、シェイクスピアの「オセロー」(新橋演舞場 9月2~26日)という大変な役をなさるんですね。芝翫さん、シェイクスピアは初めてじゃないでしょう?
中村:初めてなんですよ。「芝翫」という名前になると、歌舞伎一辺倒で、ほかのことはしないと思われがちですが、僕は橋之助時代から歌舞伎以外のお仕事でも勉強させていただきましたし、シェイクスピアといったら役者である以上、一回は勤めてみたいと思う作品ですからね。簡単にできるものじゃありませんが、やっと“相思相愛”になるときがめぐってきたという感じがします。
林:すごく楽しみにしています。私、今回の「オセロー」の話を聞いたとき、「わー、おもしろそう!」と思って、すぐにチケットを買っちゃいましたよ。
中村:ありがとうございます。
林:今回、オセローの妻のデズデモーナ役を演じるはあの美しい檀れいさんで、オセローを恨むイアーゴー役は……(チラシを見て)神山智洋さんという方ですけど、ジャニーズですか。
中村:そうです。ジャニーズWESTのメンバーですね。
林:神山さんは、初めての舞台ですか。
中村:けっこうやっていらっしゃるみたいです。生田斗真君とも。
林:檀れいさん、どうですか。
中村:檀さんは、宝塚をおやめになってから、こういうお芝居は初めてなんですって。
林:意外です。お稽古はもう始まっているんですよね。
中村:はい。とにかく大変ですね。たとえば檀さんとのラブシーンも、着物を着ていれば自然にできるんですけど、洋服のままだと、どうしていいかわからないんですよ。手の甲にキスをするなんてやったことないしね(笑)。抱き合う演技とかも。
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