津田大介「二極化が進むネット言論の規制」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

津田大介「二極化が進むネット言論の規制」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

このエントリーをはてなブックマークに追加
津田大介週刊朝日#津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

アラブ世界を一時席巻した民主化運動「アラブの春」。ムバラク大統領退陣に沸く市民=2011年、エジプトのカイロ (c)朝日新聞社

アラブ世界を一時席巻した民主化運動「アラブの春」。ムバラク大統領退陣に沸く市民=2011年、エジプトのカイロ (c)朝日新聞社

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。SNSの規制を強化したエジプトの法律をめぐる動きを解説する。

*  *  *
 エジプト議会は7月16日、ソーシャルメディアへの規制を一段と強化する法律を可決した。この法律では、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアで5千人を超えるフォロワーを持つアカウントを「メディア」として扱い、政府のメディア規制当局の監督対象とすることが定められている。

 つまり、一般市民やジャーナリスト、活動家などの個人であっても、フォロワー数が多ければ、既に厳しく規制されている新聞やテレビなどのメディアと同等の責任を負わされることになるということだ。

 法律では、「フェイクニュース」や「違法行為、暴力、憎悪の扇動」「個人や宗教の侮辱」を伴う投稿の発信・拡散が禁止され、それを取り締まる権限を政府の「メディア管理委員会」に与えている。しかし、禁止される行為の定義があいまいで、規制当局が恣意(しい)的に判断することも可能になるため、政権批判の取り締まりを意図した法律ではないかとの見方が強まっている。政府が「虚偽だ」と判断すれば、あらゆる言論が摘発の対象になってしまうためだ。

 実際、エジプトでは2013年のクーデター以降、政府に不都合な報道や批判的な言動が徹底的に取り締まられており、多数のジャーナリストや活動家が「虚偽報道」「テロ支援」「国家への侮辱」などを理由に逮捕・拘束されている。昨年1年間だけでも、500におよぶニュースメディアや人権団体のウェブサイトへのアクセスが遮断された。そうした取り締まりは法的根拠が不明確なケースも多く、国際的な批判を浴びていた。今回の法律は、そうした取り締まりを事後的に正当化することが目的だとの見方も出ている。

 国際人権NGOの「アムネスティ・インターナショナル」は今月初め、この法律が表現の自由を脅かしているとの声明を発表。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい