Aさんも見守る今後の捜査について、先の捜査関係者は言う。
「血液など遺体の証拠が残る2人以外は、すでに火葬されているので証拠がない。久保木容疑者の供述に基づいて状況証拠を集めて、裏付け補強するという煮え切らない捜査が続く。2人の殺害は立件できるが、その他の被害者のケースは極めて困難だと思われる」
会話が難しくなった父親は、ペンと紙を持ってきてほしいとAさんに何度となくお願いしたという。ペンを持つ力はすでに失われていたが、「父は何か伝えたかったのではないか」と、Aさんは話す。
「父が亡くなったのは、ペンで書くことはできなくても、タッチパネルなら話ができるからiPadでも買おうかと話していた矢先でした。父は何を伝えたかったのか。それを知れなかったことが、悔やまれてなりません」
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日オンライン限定記事