津田大介「フェイク拡散に悪用されるワッツアップ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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津田大介「フェイク拡散に悪用されるワッツアップ」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

津田大介週刊朝日#津田大介
津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)

プライベートな領域で拡散するフェイクニュースにどう対処すればいいのか(※写真はイメージ)

プライベートな領域で拡散するフェイクニュースにどう対処すればいいのか(※写真はイメージ)

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。インドのネット選挙で使われる「ワッツアップ」とその問題点について解説する。

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 ソーシャルメディア先進国のインドでも、フェイクニュースの政治に与える影響が無視できなくなっている。

 2014年に行われたインド総選挙では、中道右派政党の「インド人民党(BJP)」が歴史的大勝を収め、中道左派政党の「インド国民会議(国民会議派)」から政権を奪取した。ナレンドラ・モディ現首相率いるBJPは、景気低迷や汚職といった前政権への不満を背景に、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを使って積極的に情報発信を行い、支持を拡大した。

 モディ首相の再選をかけた国政選挙を来年に控えるインドでは、その前哨戦となる州議会選挙に注目が集まっている。今回の選挙では、前回勝利を収めたBJP側も、敗れた国民会議派側も、前回の総選挙以上にインターネットでの選挙戦略を重視し、情報発信を積極的に行っている。

 前回と大きく異なるのは、ネット選挙の最前線がツイッターやフェイスブックではなく、メッセンジャーサービスの「ワッツアップ」(WhatsApp)になったことだ。

 2009年にサービスを開始したワッツアップは、日本におけるLINEのようなチャット・通話アプリ。新興国や発展途上国を中心に人気を集め、現在は世界中で約15億人のユーザーを抱えている。インドでも、スマートフォンの普及やモバイルデータ通信の低価格化などを背景に利用者が急増し、約2億5千万人が利用しているそうだ。このワッツアップが、政党の情報を有権者に直接届ける手段として活用されている。

 6千万の人口を抱えるインド南部カルナータカ州の議会選挙では、BJP、国民会議派は2万を超えるワッツアップのグループを作成し、150万人以上の支持者と直接つながっているとアピールする。


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