竹中直人(たけなか・なおと)/1956年生まれ、神奈川県出身。多摩美術大学卒業後、劇団「青年座」に入団。83年、「ザ・テレビ演芸」でグランドチャンピオンとなる。91年、初監督作「無能の人」でベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞などを受賞。映画「Shall we ダンス?」(96年)、「今夜、ロマンス劇場で」「レオン」(2018年)など出演作多数。舞台「火星の二人」は4月10〜25日、東京・シアタークリエで上演後、大阪・愛知などでも上演予定。(撮影/写真部・小原雄輝)
竹中直人(たけなか・なおと)/1956年生まれ、神奈川県出身。多摩美術大学卒業後、劇団「青年座」に入団。83年、「ザ・テレビ演芸」でグランドチャンピオンとなる。91年、初監督作「無能の人」でベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞などを受賞。映画「Shall we ダンス?」(96年)、「今夜、ロマンス劇場で」「レオン」(2018年)など出演作多数。舞台「火星の二人」は4月10〜25日、東京・シアタークリエで上演後、大阪・愛知などでも上演予定。(撮影/写真部・小原雄輝)

 演技派として変幻自在な役を演じる竹中直人さん。大物俳優ながら仕事を選ばないといいます。詳細を作家の林真理子さんが聞きました。

*  *  *

林:竹中さんはもともと青年座にいらして、舞台の人ですよね。

竹中:自分の中でそういった区分けはないですが。多摩美(多摩美術大学)のグラフィックデザイン科に入学して、映像演出研究会という8ミリ映画をつくるクラブに入ったことで、映画の世界、役者の世界に行ってみたいと思ったんです。青年座を選んだのは、洋モノをやらないから。恥ずかしいじゃないですか、日本人が「オフィーリア」なんて言うの。「おい、山田」って呼んでくれよと思っちゃう(笑)。

林:でもいいお芝居だと、10分もすればその世界に入っていけますよ。

竹中:そうですか。でも自分はやりたくないですね。恥ずかしいです。

林:竹中さんが劇団四季に入ったら、どんな感じなんだろう。

竹中:絶対あり得ないです。1次試験で確実に落ちてますね。

林:ちょっと見てみたい気がする。

竹中:うわっ、恐ろしい。想像できない(笑)。小さいところで静かにやってるのが好きですね。今回はシアタークリエですから、それなりの劇場になっちゃいますが。

林:シアタークリエといったら名門ですよ。竹中さんと私はほぼ同世代ですが、どの世界でも60歳を過ぎると消えていく人ばっかりですが、竹中さんは相変わらずのご活躍で、ほんとにうれしいです。

竹中:そんな! とんでもないです! これからどうなるかわからないし、コワいですよ。

林:私も3年先までは仕事があるけど、4年後はどうかって考えますよ。

竹中:そんなことばっかり考えながら年をとっちゃいましたね。調子がいいときはみんなワッと集まってくれますが、「こんなのは長く続かねえよな」ってずっと感じています。

林:でも、今はもうそんな場所にいないでしょう? 仕事なんていくらでも選べそうですけど。

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