ちなみに、今年は戌(いぬ)年。干支にちなんだ相場格言では「戌笑い、亥(い)固まり、子(ね)は繁栄」とされている。今年の相場は笑い、来年は値固めが進んで、東京オリンピック開催年の子年は相場繁栄との解釈もできる。

 老後を支える資産形成の上で株式投資を今、始めることは、決して遅くはない。

 とはいえ、元本が保証されない株式投資にはリスクがあるのも事実。投資資金を無理のない一定額内として、買値から10%下がったら損切りする。株式投資の場合、プロでも買いよりも売りが難しいとされるが、こうした自己ルールさえ決めておけば株価下落による損失は自分でコントロールできる。

 また、投資未経験者が懸念するのは、企業破綻リスク、つまり倒産である。

 民間信用調査機関の東京商工リサーチ調べによると、上場会社の倒産件数は、過去5年間で13年と15年は各3件、17年は2件、14年と16年は各0件で、合計8件にとどまる。東京証券取引所(東証)だけで約3600社の上場企業数からすると、ゼロではないがそのリスクは低い。そして、14年にスタートした少額投資非課税制度「NISA」がある。

 税制上20%かかる売却益と配当への課税を、年間120万円の投資を上限に非課税とする制度だ。この制度を利用すればコスト面でのリスクを軽減できる。このようにリスクコントロールは比較的容易であり、「株は大損する」という先入観を持つ必要もないことがわかる。

 では、本題に入ろう。

 投資未経験者はまず、何を買えばいいのか、という壁にぶつかる。NISAで買い付けられている人気銘柄は、日本を代表する企業が上位を占めているが、その銘柄には二つの特徴が見られる。その一つが「配当利回り」で、二つ目が「株主優待」だ。前者は予想配当利回りが4%を超える日産自動車や3%超のみずほフィナンシャルグループなどのメガバンクなど。後者は、すかいらーくなどが代表的だ。これらでは「配当」と「株主優待」という「インカムゲイン(利子所得)」に視点が置かれている。

次のページ