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進む世界のEVシフト「トヨタが中国メーカーに追い抜かれる日」

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週刊朝日

トヨタ自動車の豊田章男社長(c)朝日新聞社

トヨタ自動車の豊田章男社長(c)朝日新聞社

トヨタ自動車とデンソーの株価推移(週刊朝日 2017年12月15日号より)

トヨタ自動車とデンソーの株価推移(週刊朝日 2017年12月15日号より)

日本と海外主要国・地域の自動車の需要(週刊朝日 2017年12月15日号より)

日本と海外主要国・地域の自動車の需要(週刊朝日 2017年12月15日号より)

 自動車産業が100年ぶりの変革期を迎えている。電気自動車(EV)や自動運転の開発競争が世界的に激化し、中国企業は巨大市場を背に急成長中だ。世界を席巻した日本の自動車産業は、変革に対応できなければ、液晶・半導体産業と同様に世界の主役の座を奪われかねない。ジャーナリストの井上久男氏がその窮状をリポートする。

*  *  *
「トヨタグループ内で株価のヒエラルキーが崩れている。デンソー株が上がり、一時はトヨタに追いつく気配さえあった。株価は将来への期待値の一面もあるから、トヨタ本体の未来は決して明るいとは言えない」

【トヨタ自動車とデンソーの株価推移はこちら】

 こう語るのは、トヨタグループ企業の役員。11月末のトヨタの終値は7044円で、デンソーは6305円と739円の差。ちなみにトヨタ発祥の企業、豊田自動織機は6970円で74円差。財務に詳しい元トヨタ幹部は、株価の動きについてこう評する。

「業績が安定しているトヨタグループの株価は、トヨタから1千円引くと豊田自動織機、2千円引くとデンソーといった相場観があった。それが崩れている感じで、トヨタへの期待感が低いということでしょう」

 トヨタが11月7日発表した2017年4~9月期の決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比1.8%減の1兆965億円だった。ドル箱としてきた北米の販売は、140万台から139万6千台に微減。値引きコストが増えたことなどから、北米の営業利益は2968億円から1411億円に半減した。

 オリンピックで金メダル獲得の潜在能力を持ちながら、メンタルが弱くて負けるアスリート。そんな姿に、最近のトヨタが重なって見える。実行力のない組織になり果てようとしているのだ。

 その象徴が、世界的なEVシフトのなかでのその戦略の出遅れ。EVの主要技術は電池、モーター、インバーター(パワー半導体)。いずれもトヨタが得意なハイブリッド車(HV)の技術から転用できる。中でもモーターの開発と製造の力は、トヨタが世界一だ。


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