加熱時間にもヒントがある。湯を沸かした鍋に鶏むね肉を入れて火を止めふたをして、20分ぐらい置くだけで、しっとりとジューシーなゆで鶏ができあがり、薄味でもおいしい。塩分を排出するカリウムや食物繊維たっぷりの野菜にも注目したい。ちなみにレタスは冷蔵庫に少し置くと、シャキッとした食感を楽しめ、ドレッシングは少量でOKだ。

 フルタニさんは「下ごしらえ作り置き」を勧める。

「下ごしらえまでして冷蔵庫や冷凍庫で保存することで塩分を減らせます。完全に作り置きするのは元日の朝食べる分でいかがでしょうか。2日以降は最終味付けは当日にしましょう」(フルタニさん)

 糖分はどうだろうか。

 芋や果物、菓子、ご飯のほか、梅酒や日本酒などのアルコールといった糖分が多い食材を外すのはもちろん、砂糖や市販ドレッシングなどの調味料にも気をつかいたい。「日本酒も糖分アップの原因に。甘みの少ない白ワインで代用してみてはいかが」(同)

 とはいえ、あれもこれもと制限しては、せっかくの正月気分を楽しめない。フルタニさんは演出も忘れない。「大きい重箱は大皿代わりにしたらいかがでしょうか。塗り物があるだけで正月のイメージが出ます。赤や黄、オレンジといった彩りがきれいな野菜を飾り切りなどをして添えると、華やぎのあるテーブルになりますね」

 ちょっとした工夫を凝らした健康おせち、始めてみませんか。(本誌・前田伸也)

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