パリでまさかの続投宣言をした小池百合子希望の党代表(C)朝日新聞社
パリでまさかの続投宣言をした小池百合子希望の党代表(C)朝日新聞社
大敗に表情を引きつらせる細野豪志氏といきなり小池百合子氏の代行として登場した樽床伸二氏(撮影・小泉耕平)
大敗に表情を引きつらせる細野豪志氏といきなり小池百合子氏の代行として登場した樽床伸二氏(撮影・小泉耕平)

  衆院議員選挙の結果を待つために都内のホテルに設けられた希望の党の開票センターは10月22日夜、白けたムードが漂った。“総大将”の小池百合子代表の姿はなかった。東京都知事としての公務で前日の21日からパリに出張したためだ。

【写真】大敗に表情を引きつらせる細野豪志氏ら


 代わりに設立メンバーである細野豪志氏と選対事務局長の樽床伸二氏が都内のホテルで開票結果を待ったが、開票時間の20時に報道陣の前に現れた2人にはいずれも笑顔がなく、厳しい表情。すぐに当確の花がついたのは数名のみで、21時になっても花は8つのみ。

細野、樽床両氏の当確が決まった時も、樽床氏が黙って花をつけるのみで、2人は会話も交わさず目も合さなかった。
 
 野党第一党の座を立憲民主党に奪われる可能性もあり、当初は政権交代を目指していた同党にとっては嵐の船出。細野氏は報道各社の取材に次のように語った。

自民党に代わり得る、政権をになえる政党が必要だという我々の存在意義は、失われることはない。数字は非常に厳しい」

 党の人事や臨時国会での首班指名をどうするかなどについては、25日に小池氏が帰国した後に協議して決めるという。

 小池代表の進退について樽床氏は「代表は小池さんなので当然、そのまま。小池さんが立ち上げた政党なので」と、辞任の可能性を打ち消したが、当面の国政対応で国会議員らをまとめる幹部人事も含め、先行きは不透明だ。

 小池氏のパリ出張中の代表代行には設立メンバーの細野氏ではなく、復活当選した樽床氏が務めたが、この人選について様々な憶測を呼んでいる。

 開票センターで配られた式次第でも当初、「代表補佐」だった細野氏の肩書が赤ペンの二重線で消され、「チャーターメンバー」(設立メンバー)に書きかえられるなど、混乱が透けて見える。小池氏に近い関係者はこう語る。

「昔の仲間で小池さんに比例単独にしてもらった樽床さんはポチだもの。みんな自分の選挙で忙しいし、樽床さんはヒマだから代行に指名したんだろう。希望の国会議員代表は本来は前原誠司民進党代表が代表の適任者だろうが、入党するには一定の時間が必要なので、当面は樽床さんが幹事長、長島昭久政調会長といったような布陣が適当ではないか」

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