うれしいはずなのに“孫ブルー” 祖母たちの本音 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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うれしいはずなのに“孫ブルー” 祖母たちの本音

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週刊朝日
イラスト・坂本康子

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『子や孫にしばられない生き方』(産業編集センター)

『子や孫にしばられない生き方』(産業編集センター)

 “孫ブルー”とは、子育てコンサルタント・河村都さんによる造語。孫の誕生が近付くに伴い、孫の世話を憂鬱に思う気持ちだそうだ。孫が生まれてからも、孫の世話をひっきりなしに頼まれれば、ブルーは倍増。脱・孫ブルーするための最善策を考える。

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 今年7月に発売されるやいなや、大きな話題となった河村都さんの著書『子や孫にしばられない生き方』。河村さんは長年、幼児教育の現場に携わってきた。周囲からは、子どもが大好きな人だから、孫が生まれたら孫をうんとかわいがるおばあちゃんになるだろうと言われてきたし、当然自分でもそう思っていたという。ところが、だ。

「娘の出産が近付くにつれて、不安ばかりが大きくなってきたんですね。初めての子育てに立ち向かう娘を助けてあげたい気持ちはもちろんあるのですが、残り少ない人生です。自分自身の時間も大切にしないといけないのではないかと思って。産後に育児不安を感じて陥るのが“マタニティーブルー”なら、孫育てを不安に感じている私は“孫ブルー”。そこで、このように命名しました」

 実際、孫が生まれてから“孫ブルー”に悩まされている女性は案外多い。水口敏子さん(仮名・65歳)は、娘が4年前に男の子を出産した。娘は研究職。幼いころから学業優秀だった娘は、立派なキャリアを積み上げているさなかである。娘の夫の両親はすでに他界している。娘も娘の夫も出張が非常に多い。出張が決まるたびに、

「おかあさん、お願い。来週からうちに泊まって。私もダンナも出張になってしまったの。昼間はもちろん保育園だから、負担かからないと思うし」

 と電話がかかってくる。

 ちょっと待って。負担がかからないって、なんで言えるの? 私はうちに夫を残して、うちから3時間離れたあなたの家に何日も泊まりに行くのよ。大変なのよ。そんな気持ちがわきあがってくるが、娘には言えない。自慢の娘のキャリアのためよ、と自分に言い聞かせてみるが、こんなことがいったいいつまで続くのかと考えると憂鬱でたまらない。

 原口孝子さん(仮名・70歳)は、ブルーどころか、もうすでにブラックな気持ち。原口さんの家は娘世帯と2世帯住宅。原口家の近くには保育園がない。そのため4歳の孫娘は家の近くの、延長保育のある幼稚園に通っている。幼稚園は母親が参加するイベントも多い。だが娘もそうそう勤めを休むことはできない。遠足、お誕生会と、どれだけたくさんのイベントに娘の代わりに参加してきたことか。そしてどれだけ、自分の友人たちからの誘いを断ってきたことか。

「ちょっともう無理よ。次の遠足はあなたが会社をお休みして行ってちょうだい」

 あるとき、原口さんは娘の頼みを断った。

「だって、あなたの子どもじゃないの。ほとんど私が育てているのはヘンよ。私にだって友達付き合いがあるのよ」

 すると娘が言う。

「あら、よそのおうちだって、ばあばがお孫ちゃんの面倒を見てくれているわ。私だって遊びに行っているわけじゃないのよ。手伝ってくれるって言うから、いろいろお願いしたのに、今さら勝手なこと言わないで!」

 まさかの逆ギレに、こちらもキレた。


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