スキーージャンプ 葛西紀明 (c)朝日新聞社
スキーージャンプ 葛西紀明 (c)朝日新聞社
表彰台で笑顔を見せる高梨沙羅 (c)朝日新聞社
表彰台で笑顔を見せる高梨沙羅 (c)朝日新聞社

 ノルディックスキーの夏の大会グランプリ(GP)は9月10日にジャンプ女子の最終戦が行われ、高梨沙羅が3勝目を挙げて6連覇を果たした。女子のGPが始まった2012年から総合王者の座を守り続けている高梨だが、オフに出演した「徹子の部屋」でワールドカップ(W杯)の賞金額を明かし、徹子さんを「……それくらいなの?もうちょっと高くてもいいと思うけど。だってあんなこと命がけじゃないですか」と驚かせた。

【表彰台で笑顔を見せる高梨沙羅】

 ちょうど同じ頃、ジャンプ界のレジェンドこと葛西紀明もバラエティー番組で「もっとお金が欲しい……」とW杯賞金に愚痴をこぼすと、ネットでは意外な話として取り上げられていた。

 ジャンプW杯は男子が30試合弱、女子も20試合近くが行われ、各試合で順位に応じて与えられたポイントの合計で総合順位を争う。

 賞金はスポンサー料やTV放映権から大会主催者が出し、男子W杯の場合、個人戦は上位30人に賞金が与えられる。優勝は1万スイスフラン(CHF)で日本円にして約114万円。2位は約91万円で、30位だと約1万1400円だ。これに6戦ほど行われる団体戦の賞金が加わる。昨季男子W杯で最も稼いだのは総合王者のオーストリア選手だったが、総合優勝争いが最終戦までもつれ込む混戦だったこともあり、賞金総額は約2150万円にとどまった。

 W杯が始まってまだ6シーズンの女子は優勝で約34万円とちょうど男子の3割。昨季の賞金トップは9勝で4度目の総合王者となった高梨の498万円だった。高梨はソチ五輪の2013/14シーズンに18戦15勝という驚異的な勝利数を挙げているが、この時の賞金総額は現在のレートで約675万円になる。

■昔はテレビ、ラジカセなど賞品の現物支給だったジャンプ

 賞金のことは「マイナーな競技なので仕方がない」と言う葛西。2013/14シーズンに10季ぶりのW杯優勝を果たし、奇跡的な復活で総合5位に食い込んだ時の賞金総額は現在のレートで1264万円。確かに、賞金が軽く億を超えるテニスやゴルフとは比べようがない……。

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