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「前向きな別居」も有効? 熟年離婚を回避する“夫婦円満の秘訣”

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夏目かをる週刊朝日

この人と添い遂げる、と決めたところから、道は開ける(※写真はイメージ)

この人と添い遂げる、と決めたところから、道は開ける(※写真はイメージ)

 長く連れ添った夫婦が熟年離婚することも珍しくない時代となった。様々な背景があるだろうが、できることなら離婚は回避したい。修復可能な夫婦にお勧めの対処法を探った。

 互いに興味をなくした夫婦が、病気や事故、親族の死などの苦難に向き合いながら乗り越えていくうちに、夫婦のきらめきを取り戻すこともある。

 新潟県在住の稲森良子さん(仮名・79歳)は、23歳の時に中学の同級生と再会して結婚。夫は長女が誕生すると、車の修理工場を設けた。次女が生まれると、会社の接待も増えて深夜帰宅が続き、けんかが絶えなくなる。

「子供たちが成長して家を出たら、別れるかもしれないと思っていました」

 ところが夫が60歳で突然パニック障害になった。経営がうまくいかず、仕事一筋だった夫はうつ病になる。夫婦の話し合いの結果、夫は経営権を創業メンバーの一人に譲り、会長職に就く。稲森さんが夫の病気に向き合うと、次第に歩み寄れるようになった。

「7年前、有料老人ホームに入居しました。『ありがとう』と感謝の気持ちをやっと言葉にできる夫婦になれました」

 一方、東京都大田区でネットサポート業務会社を営む鮎川美奈子さん(仮名・60歳)は2歳年上の夫が父親の介護をまめにやってくれたことで夫婦の絆が深まったと感じている。

 15年前に母親が急死し、74歳の父親が一人残ると、夫が同居を決めた。父親はその後、多発性がんを発症し、入退院を繰り返すが、夫が献身的に看護した。そして77歳になった父親が鮎川さん夫婦の家で一緒に暮らすようになると、多忙を極める鮎川さんに代わって、帰宅後の夫はヘルパーから受け継ぎ、つきっきりで介護した。父親は2年後に他界した。

「子供がいない夫婦は合宿生活をしているようなもの。でも父親の同居でかけがえのない時間を過ごすことができ、『(夫と)もっと家族になれた』という実感が湧きました」

 一緒に介護することで、「相手のために」という奉仕の気持ちが生まれる。夫婦の絆が深まり、まさに「琴瑟(きんしつ)調和」の関係を築いていっているという。


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