日経平均株価の推移と第一生命「サラリーマン川柳」の一句
日経平均株価の推移と第一生命「サラリーマン川柳」の一句

「クルマ買いなよ。マイホームは?」「若いうちはお金使わなきゃ」。今、バブルおじさん、おばさん(以下「バブ男」「バブ女」と略)が価値観を押しつける“バブルハラスメント(バブハラ)”が職場で蔓延し、若者から冷ややかな視線を浴びている。そんな価値観の違いからすれ違う若者と「バブ男(お)」「バブ女(じょ)」だが、バブル世代にも言い分があるようだ。

 アラフィフの本誌女性記者(昭和44年生まれ)がバブル世代の思いを伝えたい。

 あのころは、バブ女のほうがバブ男よりいい思いをしていたはず。「メッシー」「アッシー」を使い分け、飲みに行ってもお財布を出すふりしてお金は出さない。

 まずは元・丸の内商社OL(54)の話。

「当時は、正午が近づくとお財布だけ持ってタクシーに乗って昼食へ。ホテルランチが日常茶飯事で、土用丑の日は鰻を食べに神田へ。六本木や銀座で飲んだ後はいつも自宅(東京・成城)にタクシー帰り。冬には、金曜夜に会社から大型バスで苗場(スキー場)へ直行、日曜夜に東京に戻るというのを毎週やっていたね」

 記者が91年に入社した外資系金融機関では、多くの人が5時の終業ベルとともにさっさと帰る「ベルサッサ」。結婚して寿退社が当たり前の時代だから、30すぎれば肩たたき。彼氏がいない人は、仕事よりアフター5の婚活にいそしんだ。

 結婚式は、スポットライトやドライアイスの豪華な演出も多かった。ゴンドラに乗って演歌歌手みたいに登場する披露宴や、4回お色直しする“花嫁全然見られない”式もあった。毎週披露宴や2次会に顔を出す友人もいて、給料の大半がご祝儀に消えても、「自分のときに取り返すもんね」。

 男性会社員(49)は語る。

「車にサーフボードを載っけて六本木で女の子を拾って遊ぶ。いい車に乗ってイイ女乗せるのがかっこいいよね、という時代。最近の若者は、車にも恋愛にもカネをかけないみたいだけど、俺らの時代みたいな、動物的な生き方がかっこ悪いと感じているのかも。だから、自分は若い人を飲みに誘わないよ。わかっているから、価値観の違いを」

次のページ