解決しない森友学園問題。作家の室井佑月氏は、安倍昭恵夫人の関与などについて矛盾する政府の答弁に苦言を呈する。

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 森友学園問題、土地売却になんらおかしなところはないといい張るなら、政府が役人に「破棄したという文書、出してこい」と、そう命じればいいだけじゃん。なぜそうしない。怪しい。

 みんな、そのことに気づいておる。森友学園について、政府がいくら誤魔化(ごまか)しても、辻褄があわなくなってきてるじゃんよ。

 籠池前理事長の問い合わせに対し、昭恵夫人付だった谷査恵子さんが返信した封筒が出てきた。それは「内閣総理大臣官邸」と印刷された政府の公式なものだった。

 このことについて、3月31日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」では、元文部官僚の寺脇研さんが、「これはもう公務ですよ。封筒は公的なことにしか使わない」とコメント。作家の吉永みち子さんも、「誰が見ても公務で、公務でないということに無理がありますよ」といっていた。だよね、官僚の谷さんが個人的に籠池さんの相談に乗ったなんて、無理筋だもん。

 ほかにも出てきた。雑誌「フラッシュ」4月11日号に、幼稚園で働いていた籠池さんの長女のインタビュー。そこで彼女は、寄付の事実を知る職員が、身内以外にもいることを語っていた。

 昭恵さんが私人か公人かを閣議決定で決めた内閣だもの、いっそのこと、昭恵さんの寄付もあったかないか、閣議決定で決めてみる? 谷さんが、昭恵さんの意向じゃなく、個人で動いたかどうかも。今回の件、安倍首相が絡んでいるかそうでないかも、閣議決定で決めちゃうか?

 いや、これ、笑い事じゃないんだって。4月1日の朝日新聞デジタルによると、〈安倍内閣は31日、戦前・戦中に道徳や教育の基本方針とされた教育勅語について、「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との答弁書を閣議決定した〉。うわぉ!

 
 国民の心のあり方の話なのに、こういうことも閣議決定で決めちゃうわけね。どこぞの独裁国家みたいだ。

 そうそう、安倍さんは国会で昭恵さんの寄付について民進党の議員に突っ込まれ、「御党の辻元さんにも同じことが起こっている」と答えたんだ。「辻元議員は疑惑を真っ向から否定している。『ない』ということは証明のしようがないのは常識で、『悪魔の証明』といわれている」と。

 ことの発端は、籠池夫人が昭恵さんに送ったメールに、辻元議員が幼稚園に侵入した、工事にスパイを送った、などという妄想を書いたことだ。しかし、この疑惑については解決済み。当の籠池夫人が、「事実ではない」と、工事の人間も「辻元さんとは面識がない」と証言した。

 さあ、どうする安倍首相。辻元さんは疑惑を払拭できたぞ。となると、お次はあなたの奥様の番では?

 というか、いちばん最初の約束を覚えてる? 総理辞めるって威張ってたやつよ。そういったかどうかも閣議決定で決めてみっか?

週刊朝日  2017年4月21日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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