AERA dot.

田原総一朗「『猜疑心の塊』金正恩は米国に何を求めるのか」

連載「ギロン堂」

このエントリーをはてなブックマークに追加

金正恩は米国に何を求めるのか(※写真はイメージ)

金正恩は米国に何を求めるのか(※写真はイメージ)

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、北朝鮮がしきりに行うミサイル発射の狙いは何か、金正恩の置かれている状況から推察する。

*  *  *
 2月12日、安倍晋三首相がトランプ米大統領と彼の別荘で夕食を取っていたとき、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したという情報が入った。日米首脳会談をけん制するための発射なのだろうか。

 安倍首相はトランプ大統領とともに強い怒りを示し、北朝鮮に強硬な対応をすると強調した。だが、強硬な対応とは具体的に何なのか。北朝鮮はオバマ大統領時代にも、たびたびミサイル発射や核実験を敢行した。オバマ大統領は強い表現で非難したが、結局、何の行動も起こさなかった。一方、トランプ大統領は具体的に北朝鮮に攻勢をかけるか、逆に金正恩と会談などするのではないか、とみる事情通が少なくない。

 だが、ミサイル発射の話題はすぐに消えた。翌13日に、マレーシアのクアラルンプール国際空港で金正恩の異母兄・金正男が殺害されたからだ。衆人環視の空港で外国人女性らによる毒殺というスパイ映画のような手口に世界中が仰天した。

 金正男は北朝鮮の2代目の首領・金正日と成恵琳との間に生まれた長男で、ある時期まで後継者と目されていた。だが、その後金正日は高英姫と結婚して金正哲や金正恩が生まれ、三男の金正恩が3代目の首領となったわけだ。

 小泉純一郎政権時代の2001年、金正男が偽造パスポートで日本に不法入国を試み、成田空港で拘束される事件が起きた。私は田中真紀子外相(当時)に「なぜ、彼を自由に行動させて、どこに行くのか、どんな人間たちと会うのかチェックしなかったのか。空港で拘束して強制退去させるなどもっとも愚策だ」と言ったものだ。金正男に会った人たちは誰もが、彼は明るくてウィットに富んだ人間だと評する。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

   北朝鮮 , 田原総一朗 をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加