北原みのり「『金玉潰し』を想像せよ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

北原みのり「『金玉潰し』を想像せよ」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

このエントリーをはてなブックマークに追加
「女性の身体を触る」という行為は「金玉潰し」と同じくらい恐ろしい行為との声がある (※写真はイメージ)

「女性の身体を触る」という行為は「金玉潰し」と同じくらい恐ろしい行為との声がある (※写真はイメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は、男性の性犯罪における無関心さを指摘する。

*  *  *
 NHK記者が強姦致傷容疑で逮捕された。本人は容疑を否認しているが、現場に残された体液のDNA型が一致し、さらに数年前の強姦事件で残された体液のDNA型とも一致したという。

 容疑者と何度か言葉を交わした女友だちがいる。逮捕を知りパニックに陥った。容疑が確定したわけではないが事実であれば……と、考えただけで全身の毛穴が開き、吐き気に襲われた。被害にあった女性たちはどれほどの恐怖だったろう。「彼女」はもしかしたら「私」だったかもしれないのだ。

 いてもたってもいられず知人の男性数人に、その思いを話した。ところが彼らの反応に、彼女はあっけに取られることになる。男性たちはほぼ例外なくこう言ったという。「あいつも人生を棒に振ったな」「NHKも不祥事続きで大変だな」。なぜ!? 性犯罪の話をしているのに、彼のキャリアや組織の未来など、全く違う方向に話がいってしまうのは、なぜ!?

 話を聞きながら、大きく頷いてしまった。人権意識が高い男性であっても、こと性犯罪については途端に鈍くなるのは珍しくない。恐らく男性には「自分が被害者になる」想像が難しいのだろう。加害者に対しても、「人生棒に振った」程度にしか考えが及ばない。つまりは無関心なのだ。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい