「次の衆院選で大阪の公明現職がいる4選挙区で維新が選挙協力する約束を取り付けていたからです。維新は25年の大阪万博誘致とカジノをセットでやりたがっており、スケジュールを考えると、カジノ法案を今国会で通さなければ、間に合わなくなる。それで官邸が仲介し、公明と維新が選挙協力で取引した。次の衆院選で橋下氏が維新を率いて出馬すれば、台風の目になり、民進からもかなりの議席が奪える。安倍さんが自ら橋下氏にラブコールを送るのではないか」(前出の自民党国対幹部)

 永田町では橋下氏の大阪1区からの出馬観測もささやかれているが、ネックがある。

 自民党の番頭、二階幹事長の、橋下氏、松井一郎大阪府知事(日本維新の会代表)嫌いは永田町では広く知られているからだ。

「二階さんは自民党本部に大阪府が公共工事で陳情に来たとき、副知事を寄こした松井知事に『自民党をなめている』と激怒していた。菅さんが維新に肩入れし、カジノ法案を強行したことも内心、よく思っていない。党内に白けたムードがあり、維新との連携は党内の結束を乱し、墓穴を掘ることになる」(自民党幹部)

 対する野党第1党の民進党の蓮舫代表は8日、所属する野田佳彦幹事長率いるグループの会合で、「1月解散、2月中旬投開票になる」との見通しを示した。

 民進党は11月30日、次の衆院選公認内定者全員に総選挙準備金、200万円を振り込むなど準備を急いでいる。(本誌・村上新太郎、小泉耕平)

週刊朝日 2016年12月23日号