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LINEいじめでマスク依存に…保健室で知る子どもたちの闇

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保健室が子どもたちの最後の砦に…(※イメージ)

保健室が子どもたちの最後の砦に…(※イメージ)

ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル

秋山千佳著
定価:842円(税込)

978-4022736765

amazonamazon.co.jp

 今どきの子どもの姿を知ろうと、2010年から継続的に各地の保健室を取材してきた。本稿では、昨年度に東京と大阪の公立中学校の保健室で見聞きした実例を紹介する。登場する養護教諭はいずれもベテランの女性だ。保健室には、ここでしか知り得ない子どもたちの姿が確かにあった──。

■インターネットの世界で知り合う「彼氏さん」

 大阪の中学校の保健室に、「のどが痛い」と3年生の女子が来室した。次の授業が体育だったため、保健室で安静にして過ごすことになった。

 養護教諭が彼女に最近の生活ぶりを尋ねたところ、ちょっとうれしそうに話しだした。

「ツイッターのアカウントを20個持ってるんですけど、人気アニメのイラストを描いてツイートしたら、夜中じゅうずっとリツイートのお知らせが鳴り続けて眠れないし、怖くなっちゃいました」

 そんなところから体調を崩したらしい。学校生活以外はインターネット漬け、つまりネット依存の状態だ。

「夏休みは3日しか外出してない」ほどパソコンの前を離れず、互いに本名を知らないネット上の友達が多く、実際に会ってもいるという。

 彼女が教室に戻っていくと、養護教諭は私に「ああいう子が今、すごく多いんです」と、別の例を挙げてくれた。

 真面目なグループに属するある3年女子は、校内に交際している男性はいない。だがあるとき、保健室で雑談をしていると、「こないだ生理痛で倒れそうになったときに『彼氏さん』が支えてくれた」と言いだした。

 養護教諭がさりげなく「彼氏さんってどんな人?」と聞くと、やはりネットでのつながりだった。彼女は特定のアニメのファンが集まるサイトにはまり、そこで親しくなった男性が遠方から訪ねてきて付き合うことになったのだという。会うまで年齢も知らなかったが、10歳ほど上。彼氏に「さん」をつけるのは、まだ微妙な距離感があるからかもしれない。

 養護教諭は「今の子どもたちは、学校で見える交友関係とは全く違う世界を持っているんです」と言う。


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