ただのむくみじゃない! 歩行困難に陥る“リンパ浮腫”の見分け方 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ただのむくみじゃない! 歩行困難に陥る“リンパ浮腫”の見分け方

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リンパ浮腫とは?(※イメージ)

リンパ浮腫とは?(※イメージ)

「当時の森本さんの体重は118キロ。太ももの周囲は120センチ、足首は100センチありました。何度も繰り返す高熱は、リンパ浮腫の患者さんに起こりやすい蜂窩織炎でした。炎症が起きるたびにリンパ管が傷ついていくため、浮腫の悪化原因の一つになります」

 リンパ浮腫は進行の程度によって1~3期にわかれる。1期や2期の早期は浮腫だけだが、2期の後期以降になると、浮腫の生じた組織に脂肪がたまるようになり、皮膚が硬くなる象皮症や、リンパ液が皮膚を破って漏れ出すリンパ漏なども起こってくる。森本さんの状態は3期で、入院による治療が必要だった。

 森本さんが最初に受けた治療は圧迫療法だ。伸びにくい包帯を患部に巻いて外から圧をかけることで、毛細血管から水分が漏れ出たり、重力でリンパ液や水分が下にたまったりする悪影響を改善し、むくみを減少させる。これを入浴時以外の24時間、毎日続けたところ、むくみは徐々に改善、体重は日々3キロずつ落ちていった。

「その後、むくみの改善の程度をみて、ドレナージや、ウォーキングなどの運動療法を開始しました。入院当初は杖なしで歩くのが困難なほどでしたが、集中的に複合的治療をおこなったことで、むくみもかなりとれ、杖なしで歩けるようにまでなりました」(小川医師)

 半年後に退院したときは、太ももは66センチ、足首は27センチ、体重は約70キロまで落ちた。迎えに来た家族もその変化に驚いたそうだ。

 森本さんはその後、むくみが改善されたことで余った皮膚を切除する手術を地元の病院で受けた。現在もクリニックで学んだ圧迫療法やドレナージのセルフケアを続け、経過報告も兼ねて年に1、2回は入院治療を受けている。「ここまで改善できるなんて、思ってもいなかった」と喜ぶ。

「今は主にストッキングで圧迫療法をし、長時間立ちっぱなしで調子が悪くなりそうなときは包帯で対応します。1日か2日なら圧迫しなくても大丈夫ですが、そうするとやらなくなってしまう。365日、できるだけ巻こうと言い聞かせて続けています」(森本さん)

 続発性のリンパ浮腫の場合、リンパ節を切除してしまっていることから、根本的な治療は今のところない。むくみ始めを見逃さないことと早期から始めるケアで、悪化させないことが何より重要だ。

 とくに初期のころはむくみ以外の症状がほとんどないため、よく患部を観察して、できる限り早く異常に気付くことが鍵になる。その際の目安として、小川医師は「皮膚を触ったり、つまんだりするのが有効」と話す。

「左右の腕や足の皮膚をつまんでみて、患部の皮膚に厚みが出てきたと感じたら要注意。つまめなくなったら浮腫が起こっている可能性もあります」(小川医師)

 リンパ液は成人で毎日2~4リットル作られるという。そのリンパ液を患部にためないようにするためには、圧迫療法やドレナージを日々おこなう必要がある。自己流で実践するのは危険なので、医療機関で正しい方法を覚えることが大切だ。

週刊朝日 2016年8月5日号より抜粋


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