経済産業省の調べによると、全国のスタンド数は1994年度末に6万421カ所。だが14年度末には3万3510カ所に減少。13年度末~14年度末の1年間だけで1196カ所も減った。スタンド3カ所以下の過疎市町村は283自治体に及ぶ。業界通は言う。

「郵便局は最低限、地域に残しているが、スタンドは違う。儲からなければやめてしまうだけ。とくに過疎地は厳しい。寒冷地でスタンドがなくなりでもすれば深刻な事態にもなる」

 スタンド過疎自治体の一つの長野県飯綱町。以前、町内にはスタンドが5カ所あったが、徐々に減り、最近にも独立系の1店が閉店。今では国道沿いに農協系など計2カ所のみが残る。

 最近閉まった店を訪ねてみると、すでに更地だった。近所の人によれば、昨秋までは営業していたが、最後はガソリン販売はせず、灯油のみ販売する傍ら、セラピーや、がん治療の食品などを売っていたという。

 今も営業するスタンド店長は「いずれ1カ所になるかもしれないが、地域密着でやってきた。頑張りたい」。町職員は「今秋には農協のさらなる合併もあるよう。販売状況によっては切り捨てもあるのだろうが、町としては最低2カ所は残って頂きたい」と話す。

週刊朝日 2016年3月11日号より抜粋