北原みのり「盗撮事件でその感想?」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「盗撮事件でその感想?」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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盗撮は犯罪意識が薄い?(※イメージ)

盗撮は犯罪意識が薄い?(※イメージ)

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏の身近で起きた盗撮事件に「軽いおふざけ」と言いきる男性の心理を「性犯罪者に対するダブルスタンダードがある」と分析する。

*  *  *
 知人の子ども(高校生)の学校で、盗撮事件が起きた。犯人は複数の男子学生で、盗撮されたのは同級生の女子だ。決定的な証拠が残っていたこともあり、学校側は男子学生を全員退学処分にした。

 という話が知人の集まりで出たところ、その場にいた男性が「退学させるなんて、学校側はどうかしている」と、真剣な顔で言った。「本当の変態なんて、その中に一人いるかいないかだ。高校生が軽いおふざけでやったことで、一生を棒に振るような処分を教育者がするべきじゃない!」と。

 はぁ? その場にいた女たちは、みな、背中の毛が逆立った。

 学校側が、“問題児”をすぐに退学させることへの異議ならばわかる。でも、そこに至るまでの彼の堂々たる論理が、私たちには、とてもとても、怖かったのだ。

 まず、盗撮するのは一部の変態な男だけ、という認識。「性犯罪を犯すような男は、俺たちフツーの男とは関係ない」と、切り離せる感覚が怖い。

 女なら知っている。いかにフツーの男たちが、しれっとした顔で、電車の中で触ってくるか。フツーにお父さん、フツーに課長をしているようなオッサンが、触ってくるか。そして、いざ性犯罪が発覚した時には「性欲が溜まってたんだ」「仕事で疲れてたんだ」というような、男の自然/本能/気の迷いとして受けとられることも、私たちは知っている。


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