ペットホテルも1日3千円程度からのところが多いが、中には預かる期間が1カ月なら全体の20%引き、2カ月なら25%引き(ただし前払い)というように割り引くケースもある。めどが立たない長期入院や帰宅ができない施設入居の場合には、ペットを有償で譲り受けて飼育する「老犬・老ホーム」という選択肢もある。近年各地で増えているが、見極めも大切だ。預けられた動物の表情や、病気の時の対応(協力病院の有無)や費用などを確認したい。

 ある動物愛護活動団体のスタッフは、

「老犬・老猫ホームは動物取扱業なので許可を得ているかが大事。飼育状況や料金もまちまちなので、いくつか見学に行くといいですね」

 と話す。ブログなどにペットの様子などがアップされていると安心だ。

 飼い主が元気なうちに準備する方法としては、ペットのために積み立てる信託もある。日本で初めてペットの保険(共済制度)を開発した日本ペットオーナーズクラブは今年4月、飼い主からペットを“終身”預かるシステム「ペットあんしんケア制度」を作った。

 同社の野川亮輔社長が言う。

「50代以上の方から、この先自分が病気になったらペットをどうしようとか、親にペットを飼わせてあげたいが何かの時に受け入れ先がないなどのお悩みを聞いて、高齢化対策として考えました」

 この制度は会員制で、同社が信託会社と委託契約し、ペットはかかりつけの動物病院か東京都獣医師会の登録病院が生涯預かるという。費用はペットの平均寿命を軸に考えられていて、「予定支払い年数×預かり料金+基本料金」が基本的にかかる。

「例えば6歳の小型犬や猫で16歳くらいまで生きるとして、10年分の総費用は1千万円ほどになります。ただし現金だけではなく、生命保険から捻出できるシステムにしました」

 この3カ月で150人から資料請求があったという。

週刊朝日 2015年10月16日号より抜粋