プロゴルファーの丸山茂樹氏は、石川遼選手がシード権をかけて臨んだ試合の結果をみて、「まさか」と思ったという。

*  *  *

 8月10日は日大ゴルフ部復活のために、僕も含めたOBのプロゴルファーや、関係者の方々がたくさん埼玉・嵐山CCに集まりました。

「第1回日本大学オープン」です。高橋勝成さん(65)や倉本昌弘さん(59)を始めとする先輩方、片山晋呉(42)らの後輩たち合わせて15人以上の現役プロゴルファーが駆けつけました。日大の現役学生や、付属高のゴルフ部の生徒たちとプロアマ戦の形式で1ラウンド回りながら、指導をしたり、いろんな質問に答えたり。学生たちにとってはめったにない機会なので、有意義な時間になったと思いますよ。

 現在の大学ゴルフ界は東北福祉大がリードしてるんですけど、やっぱり僕らとしては「日大の黄金時代よ、再び」って気持ちですからね。OBのプロゴルファーが力を入れて、日大ゴルフ部を再建していこうと。「団結オープン」ということですね。僕も今後、できる限りのことをしていきたいと思ってますよ。

 話は変わりまして、国内女子ツアーの「meijiカップ」(8月7~9日、札幌国際CC島松コース)で芹沢(せりざわ)信雄さん(55)が“大活躍”されました。まな弟子の西山ゆかり(33)のキャディーを買って出て、ツアー初優勝に導いたんです。

 ショットやパット自体がよくても、コースマネジメントが苦手な女子プロゴルファーって、結構いると思うんです。そういう人が経験豊富な男子プロの的確なマネジメントをそばで聞いて、そこに打っていく、と。西山さんは「これで合ってるのかな?」という不安を取り除けたんでしょう。

 
 こういう素晴らしい経験が実になって羽ばたいていく人もいれば、一回きりで終わる人もいる。結局は本人の受け止め方と、その後の努力が肝心ってことなんですね。

 そして石川遼(23)です。米PGAツアー残り2試合に来シーズンのシード権獲得がかかってたわけですが、1試合目の「バラクーダ選手権」(8月6~9日、米ネバダ州モントルーG&CC)はまさかの予選落ち!

 10位に入った1週前の試合を見て、「この雰囲気だと予選落ちはないな」って思ったんですけどね。やっぱりシード権争いの微妙なところにいるから、変な意識が頭の中にあって、どうしてもうまくいかない要因になるんですかねえー。最終戦まで気を抜くことなく頑張れという、ゴルフの神様からの試練なんでしょうか。ほんとにもう、難しいとこですね。

 フェデックスカップポイントランキングではシード圏内の125位から外れ、128位に。もう一つのシード権獲得の指標になる賞金ランキングでは、112位とシード圏内にいます。

 賞金ランクによるシードは確実でしょうけど、フェデックスランクでシード権を得ないと、レギュラーシーズン終了後のプレーオフシリーズに出られないし、来シーズンのビッグトーナメント出場権も得られません。だから最後まで頑張らなくちゃいけないんです。

 泣いても笑っても、残るはレギュラーツアー最終戦の「ウィンダム選手権」(8月20~23日、米ノースカロライナ州セッジフィールドCC)のみ。遼はこの試練、乗り越えられるでしょうか。

週刊朝日 2015年8月28日号

著者プロフィールを見る
丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

丸山茂樹の記事一覧はこちら