田原総一朗「安保法制で日本は『米国の仕掛ける戦争』にもつき合うのか?」
連載「ギロン堂」
衆院通過が目前に迫る「安保法制」。ジャーナリストの田原総一朗氏が、これに関連し、これからアメリカが起こす可能性のある戦争について言及する。
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私が司会を務める番組「激論!クロスファイア」(BS朝日)で、このところ何度も、集団的自衛権について与野党の論客に出演してもらい、討論を重ねている。
そして私は次第に、集団的自衛権を行使しなければならないような事態は、現実には起こりえないのではないか、と思うようになってきた。
昨年7月、政府は閣議決定で、次のような「武力行使の新3要件」を決めた。
(1)密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある。
(2)我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない。
(3)必要最小限度の実力行使にとどまる。
「密接な関係にある他国」とは、たとえばアメリカのことを指しているのだろうが、アメリカに対する武力攻撃が発生するという事態は、どう考えても現実性がない。

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