5年前(2010年6月)、3年前(12年6月)、現在(15年6月)の時点で、それぞれもっとも低金利の変動金利ローン(適用金利)を利用し、借入額3千万円、返済期間25年として藤川氏に試算してもらった。金利は5年前が年1.075%、3年前は年0.857%、現在は年0.539%で、計算しやすくするため、金利はずっと変動せず、ボーナス払いも併用しないものとしている。

「諸費用込みの総返済額は、5年前が3422万円(1万円以下は四捨五入)、3年前は3341万円、現在は3207万円と試算されます。5年前と今を比べると215万円、3年前と比べても134万円も総返済額を減らすことができる計算になります」(藤川氏)

 要するに、[借り換え後の総返済額+借り換えにかかる諸費用]が[現在の総返済額]より少なくなる人は、借り換えのメリットがあるのだ。総返済額の差額が借り換えの手数料より大きければ、メリットがあると言える。早い話が、残りの返済期間の長い人や、ローン残高の多い人ほどメリットがあるのだ。

 藤川氏は「借り換えを考えているなら、迷っている余裕はない」とも言う。

「日本銀行は『無期限金融緩和』と言いますが、国債もETF(上場投資信託)やJ―REIT(上場不動産投資信託)も無尽蔵に買い入れられるわけではない。そう考えると、今の金利水準が今後何年も続くとは考えにくい。事実、ここへきて住宅金融支援機構の長期固定金利住宅ローン『フラット35』の金利が上昇しています」(同)

週刊朝日 2015年7月10日号より抜粋