沢木耕太郎の『深夜特急』にも登場した老舗「葡京娯楽場(カジノ・リスボア)」。あざやかなネオンは、マカオの夜の象徴だ(撮影/写真部・松永卓也)
沢木耕太郎の『深夜特急』にも登場した老舗「葡京娯楽場(カジノ・リスボア)」。あざやかなネオンは、マカオの夜の象徴だ(撮影/写真部・松永卓也)

 ポルトガルから中国に返還されて、15年。いまや世界一のカジノシティーとなったマカオ。いまやマカオは最大級のエンターテインメントシティーに変貌を遂げている。

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 お城、鳥籠、蓮……不思議な形をしたホテル群に囲まれていると、巨大な遊園地に迷いこんだような気がしてくる。

 マカオのホテルは、ただの宿泊施設ではない。たとえばザ・ヴェネチアン・マカオは、東京ドーム約20個分の敷地内に3千の客室、330以上のショップとレストランがあり世界最大級だ。ショーやアトラクションも充実し、一日中過ごしても飽きることはない。この規模の施設が、東京都世田谷区の半分ほどの土地に十数軒も立ち並ぶ。

 マカオの観光業は、いま岐路に立つ。昨年、カジノ総収入が初めてマイナスに転じた。中国政府が「反腐敗運動」を進め高級官僚が逮捕された影響で、VIP客が激減したためだ。

 一方で昨年の観光客数は3152万人、過去最多を記録した。ホテル建設ラッシュも止まらない。“カジノの街”から“エンターテインメントの街”へ。マカオは鮮やかに生まれ変わる。

週刊朝日 2015年6月5日号