高まる地元志向に歯止めを 私大が導入する返済不要の奨学金 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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高まる地元志向に歯止めを 私大が導入する返済不要の奨学金

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 返済義務がある日本の奨学金制度は評判が悪いが、大学が独自に導入する“返済不要”の「給付型」奨学金が増えてきた。なかでも、受験前に申請し、合格発表前に採否が決まる「予約採用型」が注目だ。

 予約採用型の給付型奨学金を実施している首都圏の私大の申請条件をみると、「首都圏以外の高校出身者」という項目が入っている。駿台予備学校進学情報センター長の石原賢一さんはこう解説する。

「多様な学生が集まることで大学は活性化しますから、国立よりも授業料が高い私立大は、経済支援をして地方出身の優秀な生徒を集めたいのだと思います」

 最近は地元志向が強く、地方の高校生はなかなか東京の大学に進学しない。さらに、地方の優秀な生徒は地元の国立大の医学部を目指す傾向もあり、首都圏など都市部の大学が地方から優秀な生徒を集めるのは大変だという。

「今春の入試では、首都圏から関西の大学に進学する生徒が増えましたが、今後、東京の私大の『予約型奨学金』の効果で逆に関西から首都圏を目指す受験生が増えるのではないでしょうか」(石原さん)

 一方、奨学金アドバイザーで『奨学金 借りる? 借りない? 見極めガイド』などの著書がある久米忠史さんは、専修大が来春の入試から「予約採用型」を導入することに注目している。

「これまでは早慶をはじめとする上位大学が中心でしたが、日東駒専クラスが予約採用型に踏み切ったことは大きい。今後、予約採用型がスタンダードになるきっかけになるのではないかと期待しています」

 大学の奨学金が充実してきたとはいえ、申請すれば必ずもらえるとは限らない。このため久米さんは、日本学生支援機構の「予約採用」も申し込むことを勧める。

「給付型奨学金をもらえることになったとき、ペナルティーなく辞退できるからです。多くの高校では、高3の5~6月ごろと10~11月ごろに募集を行いますから、とりあえず申し込むといいでしょう。進学してから申し込む『在学採用』もありますが、大学によっては採用が狭き門になる可能性があるからです」

 入学時に奨学金を受けられなくても、入学後に在学生対象の奨学金がある大学も多い。調べてチャレンジしてみよう。

(庄村敦子)

週刊朝日 2015年5月22日号より抜粋


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