関西でマスコミと警察がにわかに注目している裁判がある。

 被告人は中西知已(ともみ)被告(52)。昨年5月、大阪市内の自宅に拳銃3丁と実弾を所持、銃刀法違反で奈良県警に起訴された。

 奈良地裁葛城支部で行われた2月2日の初公判では朝早くから、傍聴券を求め、多くの人が列を作った。

 裁判がこれほど注目される理由は明白だ。中西被告こそ、本誌が2014年11月14日号でスクープした大阪府警の“スパイ”だった人物なのだ。

 中西被告は法廷でこう主張した。

「大阪府警の了承で銃を保管していた。罪の意識はありません」

 対する検察側は、中西被告の捜査への協力は認めたが、「銃の所持を府警が了承した事実はない」と述べ、反論した。

 だが、出廷した府警捜査4課幹部は本誌が指摘していた、税金でスパイに「報酬」を払っていた事実をこう認めた。

「中西被告は捜査協力者で合計130万円を捜査費から支払っていました」

 中西被告の担当だった疑惑の刑事も出廷し、証言。

 中西被告に現金だけでなく、お菓子、食事接待も認め、携帯電話のアクセサリーをプレゼントしたことも認めたが、「銃所持は了承していない。(話は)半信半疑だった」と主張した。

 だが、この担当刑事は奈良地検に取り調べを受けた際、「200万円ほどで銃の売買があると情報をもらった」と述べていたという。

 次の3月2日の公判では中西被告が自ら証言する。

 大阪府警とのやりとりだけでなく、本誌既報の13年12月に京都市内であった王将社長射殺事件について語る覚悟もあるようだ。中西被告の友人がこう言う。

「中西被告の弁護士は、冒頭陳述で『命をかけて証言する』と訴えた。王将事件についても話す決意のようです」

 裁判の行方から目が離せない。

(本誌取材班=上田耕司、小泉耕平、西岡千史、福田雄一、牧野めぐみ/今西憲之)

週刊朝日 2015年2月27日号