石破つぶしは序章 消費税10%見送りも目論む首相の“個人的事情”とは 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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石破つぶしは序章 消費税10%見送りも目論む首相の“個人的事情”とは

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記者会見で内閣改造の意図を説明する安倍晋三首相=3日午後6時31分、首相官邸(撮影/飯塚晋一) (c)朝日新聞社 

記者会見で内閣改造の意図を説明する安倍晋三首相=3日午後6時31分、首相官邸(撮影/飯塚晋一) (c)朝日新聞社 

 9月3日午後、改造内閣の人事が発表され、石破茂氏(57)氏に新設の地方創生担当相への就任が伝えられた。派閥内には、仲間を入閣させることもできなかった石破さんにガッカリした、という声まで広がっているという。確かに今回、石破派からの入閣はゼロだ。

 政治評論家の浅川博忠氏はこう言う。

「今回は官邸サイドの作戦勝ちです。入閣を渋る石破さんに二の矢、三の矢を放ち、最終的に閣内に取り込んだ。石破派には閣僚ポストを与えず、石破さんの求心力を低下させた。今後、派閥を抜ける人が次々出てくるかもしれません」

 それにしてもなぜ、安倍官邸は「石破つぶし」に躍起なのか。それは党総裁を「2期6年」務めなければならないという“個人的事情”があるからだ。

 2006年に発足した第1次安倍政権は自身の健康問題に加え、5大臣が失言や事務所費問題などで交代。政権は1年で倒れた。「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍首相の宿願は当時から憲法改正だったが、入り口の議論すらできないまま終わった。

 総務相として安倍首相を支えていた菅官房長官も「1年で終わらせてしまったのは痛恨の極み」と悔し涙を流した。

 巻き返し、12年9月の総裁選に勝利した安倍首相と菅官房長官ら側近は、「はじめの3年は、国民の関心の高い景気回復に力を入れ、15年9月の総裁選で再選を果たした後の3年間で、憲法改正に取り組む」──こんな6年計画を練った。これを実行するためにも来秋の総裁選に再選されないといけないのだ。

 まずは最大のライバル、石破氏の封じ込めに成功。今後は苦戦必至の福島・沖縄県知事選、原発再稼働、12月には消費税を10%に上げるかどうかの判断を迫られる。

 時事通信の田崎史郎解説委員は「首相が消費税10%の導入を見送る確率は5割以上」と指摘する。

「仮に両県知事選に負けても、今の政権は基盤がしっかりしているので、大きなダメージにはならないでしょう。それより怖いのは消費税。4~6月期の国内総生産(GDP)は8%に増税した反動で、東日本大震災以来の落ち込みを記録した。今後は7~9月期のGDP速報を基に首相が総合的に判断しますが、16年夏の参院選、その前の衆院選を控え、わざわざ危ない橋を渡るでしょうか」

 谷垣禎一幹事長(69)は12年、自民・民主・公明の3党が消費税10%への引き上げで合意した際の党総裁だ。ただ、幹事長就任の会見で谷垣氏は「基本は法律に書かれたとおり進める」としながらも、「景気情勢もよく見ていかなければならない」と述べていた。

週刊朝日 2014年9月19日号より抜粋


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