室井佑月 中国産チキン問題に「国産品を増やすしかないのでは?」
連載「しがみつく女」
相次ぐ輸入食品のスキャンダルに、作家の室井佑月氏は日本の企業も考えを改めるべきだと苦言を呈する。
* * *
ファストフード店などにチキンナゲットなどを卸していた、中国の食肉加工会社の不祥事が酷(ひど)い。
たまたま自分の出ているワイドショーで、その会社の工場の様子をVTRで観たのだが――使用期限を過ぎた肉を平気で使う、落ちた肉を拾って使う、冷蔵庫ではない場所に肉を置いている、素手で食品を扱う――などなどつっこみどころ満載であった。
VTRに出てきた工場で働く人は、
「食べても死なないよ」
そう堂々といっていたっけ。
いや、そういう問題じゃなくて……そういったところで、わかってもらえなさそうな感じだ。あたしたちは普段、こういうものを口に入れているのね。
唖然としていたら、番組に最新ニュースが届いた。
「山口県の輸入会社がベトナムから輸入した冷凍シシャモに、ネズミの駆除に使われる殺鼠剤(さっそざい)と汚物が入っていた」というもの。
このシシャモのパッケージには「樺太」と書かれていた。ベトナムの加工所で、殺鼠剤とウンコが入れられたのだろうか?
あたしはこれらのことでコメントを求められ、
「すぐには無理であっても、徐々に国内産を増やしていくしかないのでは」
と答えた。

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