動物写真家の岩合光昭さんの、日本全国47都道府県のたちを訪ねる旅。今回は、山口県笠戸島沖のいかだ猫です。

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 海上に暮らす猫がいる。

 チーちゃん(右、推定16歳)と娘のドラミちゃん(同13歳)は、トラフグやヒラメを養殖する30メートル四方のいけすの上のいかだにすんでいる。生まれてから大半を海の上で過ごしてきた。普段、波に揺られているせいか、陸に上がると、船酔いならぬ「陸酔い」になることも。

 ここにいるのは、ワケがある。下松(くだまつ)市栽培漁業センターの“職員”として、魚を鳥から守る重役を担う。仲良し母娘は、時折海の向こうをじっと見つめながら、いかだから魚を見守る。

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週刊朝日  2014年5月9‐16日合併号