Amazonで購入 「ソチオリンピック2014総集編 2014年」
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 ソチ五輪の華は出場選手だけではない。引退した“名選手”たちも解説者としてテレビ中継に登場、祭典を盛り上げた。

 注目されたのは元ノルディックスキー複合の荻原次晴(44)だ。複合個人ノーマルヒルで渡部暁斗選手が銀メダルを取った際、テレビ東京の現地スタジオに出演中に「暁斗、本当に良かったよ……」と号泣し、視聴者を驚かせた。スポーツジャーナリストの染谷恵二氏は語る。

「渡部が競技を続けるためのお金に困っていたとき、手を差し伸べたのが荻原。自身が所属する北野建設の社長に土下座して渡部を入部させてもらいました。“アニキ”が流した涙です」

 もう一人の“号泣男”はテレビ東京の五輪特番に出た織田信成(26)。羽生結弦選手が金メダルを取った日、羽生選手と高橋大輔選手、町田樹選手が登場したソチのスタジオに、中継がつながったときのことだった。

 モニター超しに高橋選手が結果を報告すると、織田は「大ちゃん、(中略)泣きそうになって」と本当に泣き出した。ソチには行けなかった織田とメダルを逃した高橋選手の熱い友情が、視聴者を感動させた。

 テレビ朝日系のフィギュア団体の中継で解説者デビューした安藤美姫(26)。浅田真央選手のフリー演技後に「ありがとう!!!! やっと彼女らしく滑れたんじゃないかな!!!!」とツイート、多くのコメントが寄せられた。

 ただ、安藤も昨年暮れに引退したばかりで解説の力量は未知数。コラムニストの今井舞氏は辛辣だ。

「オンナを感じさせるねっとりとしたしゃべり方で声量も小さすぎ。浅田選手を『彼女』と呼ぶ友達目線が気になりました。誰かに水を向けられないと話さない。いったい、何のために出てきたのでしょうか」

 トリノ五輪のフィギュア女子シングルで金メダルを取った荒川静香(32)は、日本テレビ系のフィギュア中継を担当。前出の染谷氏は「論理がしっかりしていてわかりやすい」と評価する一方、注文をつける。

「無難で冒険しないタイプ。浅田選手がジャンプを失敗したことを『信じられない』と発言したが、本来、そこをきちんと解説するべきでしょう。浅田選手の佐藤信夫コーチに荒川もかつて師事しており、何かしらの原因を語れたはずです」

 豪華な顔ぶれで賑わう中継画面をうらやましげに見つめたのはTBS関係者。

「うちの中継はほとんどがスノーボード。メダルは取れても話題の人を呼べず盛り上がりに欠けました」

週刊朝日  2014年3月7日号