大相撲初場所12日目の1月23日、国技館を訪れてみた。結び前の一番で西前頭10枚目の遠藤(23)=追手風部屋=が登場すると、国技館は大歓声に包まれた。

「キャー」「頑張って!」。まるでコンサート会場のように黄色い声援が飛ぶ。

「遠藤のような“新星”が現れたことで、女性のお客さんが増えていますね」。そう話すのは、大相撲ライターの佐藤祥子さんだ。

「20年ほど前、若貴兄弟が空前の相撲ブームを巻き起こしました。あそこまでとは言いませんが、確実に波がキテると思います」

 お土産コーナーも活況で、アニメキャラ風の「ハッキヨイ!せきトリくん」のコーナーも人気だ。

 主人公で序ノロの「ひよの山」、ライバルの「赤鷲」に兄弟子「あんこ山」……。(「関取」にかけて)鳥に似せた日本相撲協会の公式マスコットキャラクターで、2009年に協会公式サイトの漫画に登場した。

 最近、このマスコットにも変化が起きた。女性キャラが登場したのだ。その名も「相撲ガールズ」!

「女性ファンや土俵の周りを支えてくれる女性たちの存在は大切です。『女性目線』で語ることができるキャラクターを登場させました」(日本相撲協会広報部)

 名前は「どす子」「すも子」「すもも」。一体どんなキャラクターなのか。イラストを手がけた、にしづかかつゆきさんに聞いた。

「どす子は30代のスポーツライター、すももは女子高生でその見習い、すも子は年齢不詳の相撲好きカメラマン。どす子は相撲の知識が三役クラスで、すももは序ノロクラスというように、彼女たちにも番付があります。男性は大相撲をスポーツとして見ますが、女性はイケメンにグッときたり、下位の力士に母性をくすぐられたり、見方が幅広いんです」

 数年前には不祥事でファンが離れた大相撲。女性ファンを取り込んでイメージ刷新を図れるか。さらなる「取り組み」に期待だ。

週刊朝日 2014年2月7日号