「大名」みたいにタイで豪遊の横領男 24億円の使い道は? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「大名」みたいにタイで豪遊の横領男 24億円の使い道は?

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週刊朝日

 長野県建設業厚生年金基金で約24億円が使途不明となっている事件で、2010年9月から行方不明になり、業務上横領容疑で指名手配されていた基金の元事務長、坂本芳信容疑者(55)が11月1日、タイ当局に不法滞在の疑いで拘束された。タイで複数の女性のもとに身を寄せていたという。

 坂本容疑者が、東京の六本木や銀座、ハワイなどで豪遊していたこともわかっているが、タイは別格だった。05年ごろから数十回もタイを訪れ、タイ人女性たちと親しくなっていた。その一人が言う。

「坂本さんはいつも飛行機のファーストクラスでやってきて、ホテルのスイートルームに泊まっていた。チップを気前よくばらまき、みんなから社長と呼ばれていた」

 職場では地味でまじめな人物で通っていた坂本容疑者は、10年9月、基金の使途不明金の存在が発覚すると、「出張に行く」と言い残して逃走、タイに飛び立ったとみられている。タイを訪れるたびに通訳や観光ガイドを依頼していたバンコクの女性のもとに身を寄せ、生活の面倒をみてもらうようになったらしい。取材に応じてくれたのは、この面倒をみていたタイ人女性に近い女性だ。

「バンコクに来たときには、ブランドもののスーツケースにはエルメスやアルマーニのスーツが詰められ、時計もロレックス。ブランドずくめで、高級マンションに住むようになった」

 そして毎晩のように飲み歩いた。タイ料理ではなく、バンコクで配られる日本語のフリーペーパーを頼りに、女性と日本料理店に通うことが多かったという。

「日本から直送のトロやアワビ、タイなどの刺し身を出す店によく行っていました。季節にこだわり、秋ならサンマやマツタケとか、食べ物にはとてもうるさかった」

 中華料理を食べても、

「フカヒレとかナマコ、ロブスターとか高級なものしか口にしなかった」

 身を寄せていた女性には、ブランドものの時計やバッグを買い与えた。風俗店やゴーゴーバーに通い、「大名」のような暮らしぶりだったという。しかし、長続きしなかった。タイに入国して1年半ほどで困窮してきたという。周囲に警察の影が見え始めたこともあって、面倒をみていた女性は去ったという。

 その後、別の女性も頼ったが、すでに所持金は乏しく、最後は家賃も滞納するようになった。家賃を支払うために女性に約3万円を借り、その女性が警察に通報して身柄を拘束された。所持金は2万円ほどだった。

 最後に住んでいたのはバンコクの西に位置するトンブリ地区にある、家賃約8千円のボロアパート。6畳ほどの広さで、冷房もなく、家具はベッドといすだけ。数万人の日本人が滞在しているバンコクだが、坂本容疑者が発見されたアパート周辺は、まず日本人の姿は見かけない下町だった。タイの警察当局によれば、

「ずっと女性の携帯電話を使ってどこかに連絡をとっていたようだ。タイ語がまったくダメなので、かけていた先は日本。タイ人女性に聞かれたくないのか、こそこそトイレや風呂場で電話していたが、日本の知り合いにカネを貸してほしいと頼んでいたようだ。日本に少しはカネを隠しているという話もあり、支援者に連絡していたのかもしれない。24億円も横領したそうだが、タイで使ったのが確認できるのは、いいところ2千万円くらいだ」

 近く日本に強制送還される見込みの坂本容疑者。接見した外務省の職員に横領を認めているというが、横領したとみられる24億円の行方は、判明するのだろうか。

週刊朝日 2013年11月22日号


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