寺島しのぶ 松本人志監督作品の“女王様”役で映画界復帰 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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寺島しのぶ 松本人志監督作品の“女王様”役で映画界復帰

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週刊朝日

「出産後の映画復帰作が、これです」

 松本人志監督の4作目となる映画「R1OO」で、寺島しのぶさんは、実直なサラリーマンの日常に突然現れる、ボンデージに身を包んだ女王様のひとりを演じている。松本監督の本作への最も重要なこだわりが、「一流のプロフェッショナルな俳優に演じてもらうこと」。寺島さんのもとに出演のオファーが届いたのは、昨年末のことだった。

「最初は、“どうして私が?”と思ったけれど、私自身、(88年から91年まで放映されたバラエティー番組)『夢で逢えたら』時代からの松本さんファンだったので、声をかけていただいたことがすごく嬉しかった。台本を読んで、『ワァオ!』ってなったし(笑)、すぐ“やりたい”と思いました」

 松本監督の過去の3作品も全部観ているそうで、「わからないという人も周りにはいますけど、私は、あのシュ-ルな世界観がすごく好きなんです」と目を輝かせながら話す。

「『R1OO』も、誰もが頭の中で考えているえげつない妄想を映像化してしまうというのが面白いなと思いました。監督は初めから、『これはホラー映画です』とおっしゃっていたんですけど、リハーサルのとき、松本さんが私の役をやってくださったのが、とにかくおかしかったんですよ(笑)。そのとき、『僕がやるとコントになってしまうんですけど、寺島さんはシリアスにお願いします』と真顔で言われて。たぶん私は、松本さんの笑いのそういうところが好きなんでしょうね。シリアスなことをやっているのに、真剣にやればやるほどおかしくてしょうがない。そのテンションのバランスというか……。だから今回は、松本さんの脳内世界をほんの少し共有できた感じがして、とにかく楽しかったです」

 昨年9月に男児を出産し、「R1OO」で映画に復帰してみて、あらためて、「仕事をしているときが、唯一自分の時間なんだな」と思ったという。「女優の仕事に専念していたときも、
子供が生まれてからも、“目の前にあることを精いっぱいやる”という状況は変わらないと思っていたんです。ただ、いざ映画の現場に行ってみると、“ここにあるのは、自分の好きなことをやりながら、自分で支配できる、自分だけの時間なんだ”とわかった。でも、もう以前のように自分のために潤沢に時間が使えるわけじゃないから、これからは、本当にやりたいものしかやらないぞ、と心に誓いました(笑)」

 華麗に女優復帰したように見える寺島さんも、出産前は、「休んだらもう仕事が来なくなるかも」「芝居に対する情熱が失せてしまうかも」といった不安はあった。そうなったらそれはそれでいいとも思っていた。

「結果的に、以前と変わらない形で仕事をしていますが、出産前にやりたかったことは、一度リセットされた感じがします。でも、今はまた、新しい表現をするために自分を売り込むいい時間なんじゃないかと」

 人として、女優として。彼女はこれからも、新たな表現を牽引していく。

週刊朝日 2013年10月18日号


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