多くの受験生が追い込みに入るセンター試験直前となった。残る2週間の勉強は何をどうすればいいのか。『センター試験超ラクラク突破法』(エール出版社)など受験関係の著書が多数ある医学博士の福井一成さんは、これまで勉強してきたことの「総復習」に徹し、記憶を「海馬」に引き出す作業をするべきだと提唱する。

 受験指導に脳科学を取り入れている福井さん。受験直前の「総復習」を推奨するのには、脳科学的な合理性があるという。

「1カ月以内の記憶は脳の中の海馬に、それ以前の記憶は側頭葉に蓄えられています。海馬の記憶はいつでも引き出せるが、側頭葉の記憶は海底に沈んだ宝船のようなもので、すぐには思い出せないド忘れのような状態。これでは点が取れないので、直前期は総復習が重要になってくる。総復習によって、数カ月前に学んだ知識が海馬に呼び出され、いつでも思い出せる状態になるのです」

 海馬の活用が合格への鍵というわけだ。記憶を海馬へ引き出すには、こんな学習法が効果的だという。

「参考書のアンダーラインを引いた部分や太字の部分など、重要なところだけを復習し、それ以外はザッと見る程度でいい。本番直前には、1ページを1分程度の超高速で読み進めましょう」

週刊朝日 2013年1月18日号