「意識が朦朧として……」

 7月3日未明、福岡市消防本部にこんな119番通報が入った。事情を聴くと、社会問題化している「脱法ハーブ」を自室で友人と2人で吸引しているうちに、気分が悪くなって自ら通報したのだという。この不届きな"患者"たち、なんと、NHKの職員だった。

 2人はそれぞれ福岡放送局と宮崎放送局に属する26歳と27歳のディレクター。09年の同期入局で仲が良く、このときは出張で合流し、仕事後に2人で中洲に繰り出した。居酒屋とバーをハシゴしてほどほどに酔ったところで、どちらともなくこんな話になったという。

「この前、クロ現(クローズアップ現代。6月25日放送の回で脱法ハーブ問題を取り上げた) でやってたハーブをやってみようぜ!」

 脱法ハーブの危険性を警告した自局の看板報道番組の意図などお構いなし。好奇心の赴くまま、2人は夜の街の一角にあるハーブ店に足を運んだ。が、"初心者"ゆえにこんな失敗も。

「ハーブを買ったつもりだったのに、パイプだけで肝心のハーブが入っていなかった。結局その後、業者に宅配を頼み、福岡放送局のディレクターの自宅に届けさせた」(NHK職員)

 ようやく手にした"獲物"。意気揚々と2人で5袋(各1グラム入り)をパイプで吸引したところ、冒頭の失態となったようだ。

 公共放送の顔に泥を塗った2人だが、NHKの下した処分は停職1カ月と、意外にも甘かった。「脱法なので法律に違反しておらず、今回の処分とした」(NHK福岡放送局)

 それでも、福岡県警は2人を事情聴取している。

「ハーブ店での購入経緯などを聴いたようです。職員らの立件は難しいですが、店を近く傷害容疑で家宅捜索する方針らしい」(県警担当記者)

※週刊朝日 2012年8月3日号