「大学全入時代」と呼ばれて久しいが、大学が経営破綻し、学生の募集停止、閉校へと追い込まれるケースが目立ち始めた。

 大学がいよいよ厳しい淘汰の時代を迎えた。最高学府だからと安穏としていられる時代は終わった。「向こう10年で大学が100校消えるかもしれない」と警鐘を鳴らす大学教育ジャーナリストの木村誠さんは、『危ない私立大学 残る私立大学』(朝日新書)の中で、大学の健全度をさぐるための目安を挙げている。

 まずは「学生数」。これは、私立大学の収入は平均すると6縲鰀7割が授業料や入学金など学生・生徒からの納入金。経営にとっては学生数がそのまま企業の売上高を意味するからだ。

 また、「教員1人あたり学生数」をみれば、大学本来の使命である教育研究活動がどれだけ充実しているかがわかるという。

 その他、「学生1人あたり蔵書数(大学の教育の充実度を見る一つの目安)」「学生1人あたりの校舎面積(教育施設の充実度や固定資産の大きさを知る目安)」「就職率」「志願者数」「志願者増減率」(5年間)の項目を挙げる。

 これらをもとに作られたのが、「主要私立大学サバイバル度ランキング」だ。5位までをお知らせしよう。

1位:慶応大学
2位:東海大学
3位:近畿大学
4位:芝浦工業大学
5位:明星大学

 厳しい時代、大学は知名度やホームページなどの美辞麗句に惑わされず、本当の実力で選びたい。

※週刊朝日 2012年6月29日号