政権交代してまもなく3年。作家の林真理子さんと岡田克也副総理の対談が8年ぶりに行われた。国会の長い審議中に起こったエピソードと「願掛け」を岡田副総理が明らかにした。

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林:8年前にお目にかかったときと違って、今、副総理として政府の中枢にいらっしゃると、毎日が緊張の連続で、「こんなつらいとは思わなかった」ということがいっぱいあるんじゃないですか。

岡田:そんなことはないですけど、今日も朝9時から5時まで国会にいましたから、忙しいですよね。

林:審議が長くて、みんなお尻が痛くなって、座布団を持ち込んでいるそうですね。

岡田:隣の安住(淳)財務大臣が、いいクッションを持っていたので、彼がいないあいだに取り上げて使っていました(笑)。総理も大変で、今まで以上に国会に呼ばれますし、最近だけでも「太平洋・島サミット」を沖縄で行いましたし、その前は「G8サミット」や「日中韓首脳会談」など、週末になると海外や遠方に出掛けていますしね。平日も外国からいろいろな首脳が来日するし。

林:でも、政権を取る前の民主党の人って、もっと生き生きしていたような気がするんでけど。

岡田:今、生き生きしてませんか? 責任を持たされて、逆に生き生きと仕事をしていると思いますよ。

林:さっきから気になっているんですけど、右手の手首に巻いた白いひもは何なんですか。

岡田:ゴールデンウイークにスリランカに行ったんです。スリランカは日本と国交樹立60年で、親日的な国なんですね。仏歯寺というお釈迦さんの歯を祀っているお寺の高僧が結んでくれました。このひもが切れなければ、願いがかなうそうです。

林:そうだったんですか。お風呂に入るときもそのままですか。

岡田:そのままです。法案が通るまではね。もう1カ月以上たつんで、だんだん古くなってきて、切れるんじゃないかと思って心配していますけど。(笑)

※週刊朝日 2012年6月22日号