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急浮上するインド 中間層の増加を支える幼いころからのIT教育

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 12億の人口を背景に、世界における存在感を増すインド。いまや高層ビルや巨大ショッピングモールも珍しくなく、まだまだ大きなポテンシャルを秘める。そんなインドの現在とこれからの展望を見た。

 首都ニューデリーから南西へ約30キロ、ハリヤナ州にあるグルガオン地区へ向かう途中、インド人ドライバーがハンドルから手を離し、天を仰ぐようにして叫んだ。

「エブリデイ、トラフィックジャム(毎日、渋滞だ)!」

 車の窓を開けると、様々な音色のクラクションがけたたましく鳴り響き、濃厚な排ガスのにおいが車内に充満した。

 午後5時、デリーとグルガオンを結ぶ高速道路の料金所でも、何百台もの車が連なる大渋滞となっていた。インド人通訳のジャスワールさん(34)が、あきらめたような表情でこう語る。

「グルガオンにはたくさんのマンションがあります。この時間帯になると、デリーで働く人がいっせいに車で帰ってくるので、いつも渋滞になるんです」

 たしかに、グルガオンの街は巨大なショッピングモールと高層マンションが林立し、スーツ姿のビジネスマンであふれかえっていた。

 いま、インドでは「中間層」といわれる、富裕でも貧困でもない「そこそこの暮らし」をするインド人が急激に増えている。そのためグルガオンのように、それまで空いていた土地が、次々と開発されているのだ。

 成長の根源はどこにあるのか。ニューデリー市街にある学校で、その答えが少しだけ見えてきた。

 3歳から18歳の子ども約2500人が通う私立学校バル・バワン・パブリックスクールのグピタ校長(53)は、こう説明する。

「この学校では、3歳からパソコンを使った授業を行っています。まずはマウスを使って図形を描かせ、パソコンに慣れさせる。5歳ごろからはキーボードを使って文章を書かせ、コンピューター用語も覚えさせていく。すると12歳になる頃には、プログラミングまでできるようになるのです」

 おそらくこうした幼い頃からのIT教育が、現在のインドの成長を支えている。

 20階建てのマンションの最上階からグルガオンの街を一望すると、建設中のマンションから溶接の火花が散るのが見えた。その火花は、午後8時を過ぎても消えることはなかった。人口12億を超える発展途上国が、先進国となり、日本を追い抜く日は、すぐそこまで近づいてきている。

※週刊朝日 2012年3月2日号


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