1993年から人気テレビ番組「料理の鉄人」に出演した料理人の陳健一。与えられた食材で制限時間内に料理を作るというルールで、6年間、様々な分野の料理人と対決し続けた。そんな彼に番組収録中の失敗談について聞いた。

*  *  *
 対決は自分も毎回ハラハラしてたよ。すべては集中力。おかげで集中力が鍛えられたね。食べる人によって味も変えた。「あたし辛いのダメ縲怐vとか言う女優さんが審査員として来るんだもん。料理作りながらそれ聞いて、「えー!? うそ縲怐I」って感じ。そういうときはタレを2種類作って、ひとつは辛くて、もうひとつは辛くないようにした。

 男性と女性の一皿の量を変えたり、女性には一口で食べられるサイズに切り込みを入れたり。初めて見る食材もいっぱいあったけど、後半はそれを楽しんでた。「今日のテーマは"ナマコ"!」「じゃあ、ナマコでデザート作っちゃおう!」とかさ。あれは20世紀最大の失敗作だったけどね(笑)。 
 
※週刊朝日2012年2月24日号


週刊朝日